■投手陣は菅野智之以外に不確定要素
――投手陣に目を向けてみると、巨人には菅野智之という大黒柱がいる。しかし、それ以外の部分に不確定要素が多いと篠塚氏は語る。
篠塚 菅野は、いきなりポカーンと打たれることもあるけど(笑)、続けて同じミスをしない。だから今年もエースとして、最多勝を狙えるぐらいの結果を残してくれるんじゃないかな。エースの菅野以外も、先発陣は数がそろっているし、誰かが化ける可能性だってある。菅野と、あと2人の先発が2桁勝てれば大丈夫。
むしろ不安なのは、中継ぎと抑え投手かな。畠(世周)を後ろに回すのも手だよね。先発はたくさんいるんだから、試したいと思う若手投手を、あえて中継ぎに回してもいいんじゃないか、と思う。もともと先発をやっているから持久力があるし、ときには負けゲームで投げさせたっていい。そうすれば、若手にとっていい経験になるし、首脳陣からすればテストもできる。チームにとって一石二鳥になるんじゃないかな。
――篠塚氏は、かつてコーチとして原政権を支えた経験がある。今回3度目の就任になる原監督は、どのような采配を振るうのだろうか。
篠塚 原は試合の流れを、しっかり読むタイプ。先のことを読んで、自分の思い通りにゲームを動かしたい監督だね。その姿勢は昔と変わらないと思うし、今年も自分の考える通りに試合を動かそうとするだろうね。だから、選手も監督の意図を考えながら野球をしないといけない。選手の様子も、原はベンチの隅からしっかり見ている。だから、試合にのめり込んでいるような選手をちゃんと使ってくる。ベンチでボーッと試合を見ているような選手は使わない(笑)。
その点はミスターと一緒だよね。ミスターも選手のことをよく観察していた。代打で使う選手であれば、相手投手のタイミングに合わせてバットを構えているか、とか。原は、ミスターのもとで指導者デビューしたわけだし、大きな影響を受けているんじゃないかな。