『メガドライブ』ソニックに夢見館の物語にメガモデム! 早すぎた名作たちの画像
画像は『メガドライブ』公式ホームページより

 1988年にセガから発売された家庭用ゲーム機、メガドライブが昨年30周年を迎えた。家庭用ゲーム機として他社に先駆けて16ビットCPUを搭載した本機。そのメガドライブの発売から約31年、3月30日に行われたイベント『セガフェス』で発表された、手のひらサイズの『メガドライブミニ』が9月19日に発売となる。

 メガドライブといえば、個性的なソフトの数々にも注目していただきたい。今回はそんなメガドラソフトのいいところを紹介する。

マリオは遅すぎるぜ!『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(1991年)

 スピンやダッシュで画面内を縦横無尽に走り回る青いハリネズミ、ソニック。名実ともにセガを代表するキャラクターだが、彼のデビューもメガドライブだったことはご存知だろうか?

「マリオに負けないキャラクターを」という目的で開発スタートした本作だが、メガドライブの高速処理を活かしたハイスピードアクションということで「音速」の名を冠したソニックが生み出された。「リングがひとつでも残っていれば死なない」というゆるいルールのおかげで、誰でも心ゆくまでスピード感を楽しめるゲームバランスとなった。

 なお、実際の処理速度はこれでもわざと遅くしているそうで、メガドライブ本気の能力では速過ぎてとてもゲームにならないのだとか。

■当時の最先端、全編ムービーゲームもあるぞ!『夢見館の物語』(1993年)

 メガドライブには「メガCD」というCD-ROMドライブが発売されており、これは単なる外付けドライブではなく、メガドライブ本体の性能を拡張する役割を果たしていた。ここで紹介する『夢見館の物語』はそのメガCDの性能を活かして、当時では珍しいムービー再生を実現していたゲームである。

 画面上には文字は一切なく、次々に再生されるムービーに対して方向キーやボタンを入力して、主人公の妹を探して館の中を探索することになる。ホラーとミステリーが入り混じった演出が素晴らしく、まさに名作のひとつだ。

 後のプレステやセガサターンではよく見られるようになったムービー演出をずっと前に実現していたメガドライブはやはり恐るべし!

■剣と魔法のありきたりRPGなんか作らない!『ファンタシースター2 還らざる時の終わりに』(1991年)

 現在でもオンラインに舞台を移し、シリーズが続いている『ファンタシースター』シリーズ。初代作はメガドライブより1世代前のセガ・マーク3用に発売されたゲームなのだが、『ドラクエ』『FF』といった人気RPGを持たないセガハードにとって、同シリーズはユーザーの期待を一身に受けたタイトルである。

 特徴的なのは、既存のRPGが大抵中世ファンタジーであるのに対し、『ファンタシースター』は3つの惑星を股にかけるSFテイスト。初代では主人公が女性キャラだったりと、ありきたりのRPGを作りたくないというセガの反骨精神がよく現れた作品となった。メガドライブではハードの発表時に『2』の発売がアナウンスされ、ハード購入の牽引力を担った。ちなみにタイトルの綴りは、「FANTASY」ではなくて「PHANTASY」。既存のビッグタイトルのイメージがあるからあえて「P」にしたそう。そういうひねくれ者の感じ、たまらない!

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