もっとも、セガのもとに集ったサードパーティー(メガドライブにソフトを供給するソフトメーカー)はエニックスやスクウェアといったファミコンに人気タイトルをリリースしていた大手メーカーではなく、いまひとつマイナーなパソコンソフトメーカーが多かった。必然的にラインナップもパソコンからの移植など、家庭用ゲーム機ではあまり見かけないタイトルが中心となり、ファミコンに比べてマニア向けで硬派なイメージがここで確立されることとなる。
このことが逆に「お子様でも安心して遊べるファミコン」ではない「通好みの隠れた名作が発売されるメガドライブ」というアンチ任天堂ユーザーを生み出すこととなり、同時に冒頭の黒いボディデザインも相まってメガドライバーの心の拠り所となっていった。
当然、そんなメガドライバーを満足させなければならかった各ソフトメーカーは、メガドライブの性能を極限まで引き出すプログラム技術の粋を注いだゲームを開発するようになり、倍のスプライト数、倍の表示色数、疑似回転演出など、ハードの性能を超える表現を実現したゲームも数多い。
マイナーゲーム機に集うマニアと、それらに向けてソフトを供給するメーカー。その思惑が噛み合ったメガドライブは、明らかにファミコンとは異なった異端のゲーム機としての性格を強くしていき、安易なファミリー層向けのゲーム機とはかけ離れた独自すぎる市場を形成していったのだ。
メガドライブが愛される理由は、マニア受けするこだわりのスペックとソフトにあった。9月発売のメガドライブミニで、当時を振り返るのも楽しみだ。
※画像は『メガドライブ』公式ホームページより
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