沢口靖子
沢口靖子

 榊マリコ(沢口靖子/53)と科捜研の仲間たちが帰ってきた! しかも1年間ぶっ続け放送! ということで、世の注目を浴びている連続ドラマ『科捜研の女』(テレビ朝日系)。シーズン19の初回が4月18日、ついに放送された。

 翌日に発表された平均視聴率は13.7%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)を記録。さすがマリコ様だ。京都府警科学捜査研究所、通称「科捜研」は期待を裏切らない。テレビ番組のロケで芸妓2人が取っ組み合いをするという刺激的なシーンから始まった今回は、第一話のポイントがそのまま「女同士の火花」だったのも興味深い。

 大阪府警から逃走した連続殺人犯、荒木田の捜査協力を求められた京都府警では、科捜研が防犯カメラ映像の分析を開始する。そこに乗り込んできたのが、檀れい(47)が演じる科警研の主任、橘つかさである。髪の長さはマリコと同じミディアムボブで、女神のように美しい沢口と壇の対決は、絵的にも麗しく迫力満点。2人が鑑定をめぐって対立する展開は、見てはいけないものをのぞき見できたような、お得感を覚えた。

 壇と沢口の科学知識のせめぎ合い。言い負かされそうになって悔しそうにする壇に比べ、表情が能面のように変わらない沢口は、逆に「筋金入りの理系女子」を感じさせ、静かなる名演技だと思わせる。誰と張り合うことなく、飄々とやるべきことをやる……そんなイメージの榊マリコを演じる沢口は、今回も表情や声のトーン、すべて一定していたが、壇を相手に「現場再現」という名目で首を絞めるふりをしたり、「でも」「でも」といちいち反発したりするなど、プライドと負けん気を漂わせていた。鋼(はがね)の女、マリコ様の人間味が出た回となっていた。

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