綾瀬はるか
綾瀬はるか

 大河ドラマいだてん~オリムピック噺~』は10話連続で平均視聴率が1桁と、相変わらず低迷が続いている(ビデオリサーチ調べ/関東地区)。けれど、4月21日の放送『あゝ結婚』では主人公、金栗四三(中村勘九郎/37)の妻、スヤを演じる綾瀬はるか(34)がネットニュースで話題になった。その放送を振り返ってみよう。

 金栗四三に突如、持ち込まれた見合い話。それは池部家に嫁ぐも伴侶を失ったスヤとの縁談だった。四三はこれを一度は断ろうとするが、結局は池部家の養子となりスヤを嫁にする。しかし四三はすぐに次のオリンピックを目指すべく、東京に戻り練習に打ち込んで……という展開だった。

 この放送回の主役は、綾瀬はるかが演じるスヤだった。なんとオープニング映像でのバレーボール選手が、スヤに差し替えられるという冒頭からのサプライズ演出! これに気づいたファンは「オープニングでスヤさーん!」と、SNSで歓喜の声をあげていた。さらに、放送の最後には四三に勧められて冷水浴に挑戦と、綾瀬はるかのサービスカットが満載の放送だった。

 と、派手なシーンばかりに目がいってしまったが、綾瀬はるかという女優の素晴らしさを実感できたのは、むしろ放送の前半。夫の死を乗り越え、強く生きようとするスヤをけなげに演じていたのだ。綾瀬はるかの人気の秘密は、まさにここにあるのではないだろうか。

 今回は冷水浴のシーンで見せた天真爛漫なキャラが印象深かった綾瀬だが、シリアスでしっとりとした演技も、もちろんうまい。四三への愛情は不器用でぎこちないが、凛とした女性の強さも持ち合わせているスヤ。そんなスヤの女性としての魅力が、少ない登場シーンでしっかり伝わるのは、綾瀬はるかの巧みな演技があるからだ。

  1. 1
  2. 2