■トリビア8
“お肌がスベスベになったから”の理由で付けられた元号がある

 時の元正天皇(女帝)は近江・美濃国に行幸した際に、多度山の美泉(現・岐阜県養老町)を訪れた。帰京後「お肌がスベスベになり、痛いところにつけると痛みがとれた」と、かの地の水を大絶賛。あまりの感動に付けられた元号が、その土地にちなんで「養老」(717~724年)。お肌にいい水が由来で改元するとは、これも“女帝”ならでは?

■トリビア9
スッポンが原因で改元されたことがある

 奈良時代、珍しい亀(というかスッポン)が天皇に献上された。それが背中(甲羅)に“北斗七星”の模様がある超レアなスッポン。「これは天から授かった吉兆である」と喜んだ元明天皇(女帝)はさっそく元号を「霊亀」と改めた。奈良時代にはこうした“珍しい亀”きっかけで改元されたことがなんと4回もある。ちなみに「霊亀」への改元と共に元明天皇は娘の元正天皇へ譲位。これは日本の歴史上唯一の“母から娘への譲位”である。

■トリビア10
元号がない“空白期間”が2回ある

 実は元号には2回の空白期間がある。654~686年の32年間。そして「朱鳥」という短い元号を挟んで再び686~701年の15年間。理由は元号制が始まったばかりで定着しておらず、さほど重要視されていなかったこと。この期間に天皇崩御や皇位継承に関する乱(壬申の乱など)が相次ぎ政権内がゴタゴタしていたことが挙げられる。

■トリビア11
ハレー彗星の出現にビビって付けられた元号がある

 永延3年(989年)6月1日(現7月11日)に姿を現したハレー彗星は、その日以降毎晩出現し、人々を恐れさせた。記録によれば彗星の長さは肉眼で1.5mもの長さに及んだという。“不吉なことが起きる予兆に違いない”とすぐさま改元され「永祚」となったものの、改元直後に近畿一円が巨大台風に襲われ甚大な被害が出た。残念ながら改元効果はまったくなかったようだ。

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