■新宿の花園神社でテント芝居
ゆま「へえ~。ますます楽しみになってきました。それと、もう一つ、私が興味を持っているのが、新宿の花園神社で舞台をされるということ。しかも“テント芝居”ってことは野外なんですね?」
大鶴「昔と違って今、テントの中で芝居をすることが、少なくなったからね。もともとお芝居というのは野外でするものだったんです」
ゆま「小劇場やホールで見るのが当たり前だと思っていました」
大鶴「野外の場合、防音もないから声もしっかり出さないと、お客さんに聞こえない。テントの外では車の走る音や、女学生が騒いでいる声なんかも、普通に聞こえてくるからね(笑)」
ゆま「新宿という場所柄、めちゃくちゃ、うるさそう」
大鶴「実際、女性向けの求人募集のトラックなんかが走ってくるからね(笑)」
ゆま「あ~。大音量で歌を流しているトラックですね」
大鶴「シリアスなラブシーンで突然、あのノリのいい歌が外から聞こえてくることもあるんです」
ゆま「お芝居に集中できないじゃないですか」
大鶴「でもね、以前、役者の先輩に言われたんだけど、“お前は新宿で、女を口説いているとき、求人募集のトラックが横を走っていたら、気になるのか?”と」
ゆま「どうなんですか?」
大鶴「負けないね。女を口説いているときは、他の音など、気にならないぐらい必死ですから」
ゆま「アハハ」
大鶴「お芝居のときも外がどんなに騒がしくても、“負けねえぞ”って気持ちがあれば、丈夫大なんです」
ゆま「さすがです(笑)。テント芝居も行ってみたくなりました」
大鶴「ぜひ体験してもらいたい。野外劇の醍醐味って、外界との区別がないところなんです。それこそテントの外からは日常の雑音が聞こえてくるんです。でも、テントの中では“非日常”の舞台が行われている。すると、非日常であるはずの物語が、まるで自分の日常に溶け込んでいるような錯覚があるんです」
ゆま「それは味わってみたいです」
大鶴「さらにテント芝居では屋台崩しといって、建物などを崩す演出で、いきなりテントを下ろすときがあるんです。いきなり外界とつながるワケで、通行人も“何やってんだ?”と一斉に、こっちを見るんですね。その瞬間、テントの中のお客さんたちが今度は“見られる側”の役者になる。この感覚が楽しい、というお客さんもいますね」
ゆま「絶対、観に行きます!」
大鶴義丹1968年4月24日生まれ。東京都出身。俳優としてドラマや舞台に数多く出演する一方で、多彩な趣味やトーク術を生かして『アウト×デラックス』(フジテレビ系)などバラエティ番組にも引っ張りだこ。6月には、新宿・花園神社で舞台『蛇姫様 わが心の奈蛇』に出演する。
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