『いだてん』と大コケ大河『平清盛』『花燃ゆ』に意外な共通点の画像
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 ここのところ毎週、週の前半によく目にする記事がある。それが『いだてん』最低視聴率更新、というタイトルのニュースだ。

 6月9日の放送では、平均視聴率が6.7%(ビデオリサーチ調べ/関東地区/以下同)と、大河ドラマの歴代最低を更新した。週により上下はするものの、ずっと低空飛行が続いているのだが、このドラマ、これだけ不調な原因はなんなのだろう? 今回は過去に大コケした大河ドラマと比べながら、その要因を探ってみよう。

 まず『いだてん』に抜かれるまで、最低視聴率の記録を保持していたのが、2012年の『平清盛』。当時、映画『ノルウェイの森』など話題作への主演が相次いでいた松山ケンイチが主演したのだが、平均で7.8%という低視聴率を記録したり、4週連続で1桁視聴率をたたき出すなど、大河らしからぬ結果を残した。

 その敗因はズバリ、“難解さ”だろう。よく言えば雰囲気のある作品だったけれど、トーンが暗いうえに平安時代というなじみのない時代設定についていけない視聴者が続出。72年の『新・平家物語』以来の“平家モノ”だったが、大河が40年間も平家を題材にしなかった理由が、その視聴率から透けて見えるという皮肉な結果に。松山ケンイチ、玉木宏松田翔太など主役級の俳優をそろえたが、残念な結果に終わってしまった。

 次に低視聴率大河として名があがるのは15年、井上真央が主演した『花燃ゆ』だ。平均視聴率は11から12%台が続き、9.3%と1桁視聴率も記録。最後までくすぶったままで終わってしまった。低視聴率だった理由は、ズバリ主人公のマイナーさだ。主人公の文は幕末から明治を生きた女性だが、彼女自身は偉人ではない。吉田松陰の妹で、久坂玄瑞の妻になり、後には群馬県令の妻となった女性だ。大河ドラマでは手堅い幕末作品だったのに、視聴者の知らない人物が主人公だったことで、注目度を下げてしまった。

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