来年の日本ダービーに向けて新馬戦がスタート。僕自身も新たな気持ちで臨んだG1安田記念でしたが、発走直後、騎乗したロジクライがいきなり内側に斜行してしまい、関係者の皆さん、そしてファンの方々にご迷惑をお掛けする結果になってしまいました。この場をお借りして、改めてお詫びします。

 枠順は大外16番。最初の一歩はゲートから真っすぐに出ました。ところが、直後に物見をして、制御する間もなく内に斜行。僕の内側にいた馬4頭に迷惑をかけてしまいました。起こってしまったことを悔やんでも仕方ありませんが、あってはならないことです。

 結果、降着にこそならなかったものの、馬は発走調教再審査、僕は騎乗停止1日(6月8日)の処分を受けることになってしまいました。ケガで馬に乗れないのもつらいものですが、騎乗停止で騎乗できないのは、さらに精神的にきついものがあって……忸怩じたる思いです。とはいえ、このまま引きずっていても、いいことは何一つないので、前を向いて、今週の騎乗馬の話をしましょう。

 今週16日はフランスのG1ディアヌ賞に挑戦することになりました。芝2100メートル、シャンティイ競馬場で行われるこのレースは、フランスの牝馬三冠第2戦で、日本でいえばオークスにあたる名物レースです。現在のタイトルパートナーは高級時計メーカーのロンジンですが、それ以前はエルメスがスポンサードしていて、フランスでは、エルメス杯とか、ディアンヌ・エルメス杯とも呼ばれていました。このレースで僕が騎乗させていただくのは、2戦2勝しているアマレナ。キーファーズの松島オーナーがドイツで購入され、フランスの小林智厩舎に転厩した素質馬です。

――凱旋門賞を勝ちたい! それが僕の大きな夢であり、尽きることのない思いであり、毎年の大きな目標でした。このレースの結果次第では、その夢に大きく近づくことになります。

 また、この日はジェニアルをパートナーに、G3ベルトランデュブルイユ賞にも参戦予定で、僕の気合い乗りはすでに十分。9日のレースに参戦した後は、すぐにフランスに渡って調教から乗るつもりです。皆さんに、フランス発のうれしいニュースをお届けできるようベストを尽くします。

 まだ、あります。このレースから3日後の19日、イギリスのG1プリンスオブウェールズSに参戦するディアドラに乗せていただけることになりました。こちらは、4月に香港で行われたG1クィーンエリザベス2世Cから引き続きのコンビになります。英王室主催となるロイヤルアスコット開催のレースに参戦できるのは、馬にとっても、僕にとっても名誉なことです。日本代表に恥じないレースで、最高の結果を出したいと思っていますので、日本から応援していてください。よろしく、お願いいたします!

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