安倍晋三首相
安倍晋三首相

 永田町が荒れている。「6月に金融庁が発表した“老後のために2000万円の蓄えが必要”とする報告書は、安倍政権にとって大ダメージ。これまで大人気グループ『TOKIO』と食事をしたり、女優の高畑充希を首相公邸に呼んだりと、来る参院選に向けてイメージ戦略に精を出してきた安倍首相ですが、国民のここまでの怒りは予想外だったんでしょう」(全国紙政治部記者)

 事の発端は、6月3日に金融庁が出した「夫婦で95歳まで生きるとすれば、老後資金として約2000万円の貯蓄が必要」とする報告書。年金制度の崩壊を示唆するこの内容に、国民の怒りが爆発。あまりの反発の大きさに、麻生太郎財務相が6月11日の閣議後の記者会見で、「政府の政策スタンスと異なる」として、急遽、受け取らない意向を示した。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、この報告書の一連の騒動を「金融庁によるクーデター」と見る。

「金融庁は、少子高齢化で、公的年金などの社会保障制度だけでは高齢者を養うのは無理と、現実路線を示したわけです。しかし、麻生さんが受け取り拒否したということは、現実路線への転換について事前報告がなかったということ。つまり、金融庁によるクーデター説が有力になってきますね」

 この報告書に、野党も黙ってはいない。「6月10日の参院決算委員会で議論が紛糾。安倍首相や麻生氏は立憲民主党の蓮舫副代表ら野党議員に、散々とっちめられ、終始苦しい言い訳を続けていました」(前出の政治部記者)

 また、金融庁の発表した報告書を差し戻すのも極めて異例の対応だ。「受け取り拒否ということは、事実上の撤回強要。モリカケ問題などで見えた、都合の悪い文書を隠蔽、改竄してきた安倍政権の体質が浮き彫りになった。12日には、自民党の森山裕国対委員長から“政府は受け取らないと決断した。報告書はもうない”というトンデモ発言も飛び出しました」(前同)

 そんな大問題が紛糾する中、12日に安倍首相は、なんとイラン訪問へと出発。「自民党筆頭理事が集中審議の開催を突然、拒否。野党の追及に音を上げ、ほうほうの体で国会から逃げた格好です。イランに行ってもトランプ氏の言うことをなぞるだけなのに、国の最優先事項をほっぽり出して行く意義があるんですかね」(野党関係者)

 火消し対応すらロクにせずに、ブザマに逃げて右往左往。国民の怒りの火は、そう簡単には消えはしない。

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