朝加真由美
朝加真由美

 脳科学で男女のトラブルを解き明かす話題の映画『女の機嫌の直し方』と日テレ系新ドラマ『偽装不倫』に連続出演! 撮影裏話から出演者との親交までじっくり語ってもらった。そしてデビュー時の秘密エピソードも……!?

――朝加さんは『ミス・セブンティーン』コンテスト北海道代表で出場されたのが、この世界に入るきっかけだったんですね。

朝加 15歳ぐらいのときだったかしらね。あの頃、映画『ロミオとジュリエット』を観て、ヒロインを演じたオリビア・ハッセーさんに憧れてね。なんてきれいな人なんだろうと思って、これだけ人を感動させられるのなら、私もスクリーン側に行きたいって思ったんですね。当時は中学生で仲の良い友達が3人いて、その中に写真部のコがいてちょっとモデル気取りで撮ってもらって応募したんです。実は真由美は芸名なんですけど、その由来はその3人から取っているんです。まさこ、ゆうこ、みちこの3人の名前の頭をつなげて。それから17歳のときに上京したんです。

――そして、芸能界に入られて特撮ドラマ『ウルトラマンタロウ』(73年)でキャリアをスタートされたんですね。

朝加 実は元々はアイドル歌手としてデビューする予定だったんですけど、そのレッスンの最中、私も知らないあいだに『タロウ』が決まったんです。

――憧れの女優デビューは、さぞうれしかったんじゃないでしょうか。

朝加 正直、まったくうれしくなかったです。言葉も訛っているし、どうしようって不安しかなかったんですよ。北海道から出てきてまだ半年ぐらいしかたっていなくて、「○○の現場に行って」って言われても、一人で電車に乗れなかったし、毎日泣いていましたね。

――大変でしたね。朝加さんの役はタロウに変身する主人公・光太郎に憧れを抱くさおり役でした。光太郎役は、今も現役で活躍中の篠田三郎さんでした。

朝加 篠田さんはすっごく優しい方でね。私がいつも泣いていたら、「みんなできないんだから大丈夫だよ」って言ってくださって。あるとき、「真由美ちゃん、これ終わったらもうドラマはやらないの?」って聞かれたんで、「私、歌手になるんですっ!」って言ったんですよ(笑)。でも篠田さんは「絶対、ドラマのほうが良いよ、僕のイメージだけど、真由美ちゃんは八千草薫さんみたいだよ」って。

――そうなんですか! すごい褒め言葉だったんじゃないでしょうか。

朝加 私も「ありがとうございます」って答えたんだけど、本心では「こんなに毎日泣いていちゃダメだな」って思っていたんですよ。その後、20年ぐらいたってからドラマで篠田さんと夫婦をやらせてもらいました。

――それはまた不思議な縁ですね。

朝加 このとき篠田さんが「女性ってすごいな、強いな」っておっしゃったんです。私が「何で?」って聞いたら「あんなに毎日泣いていたのに、今は俺が泣いているくらいだよ。仕事がなきゃないで本当にイヤで、あればあるで行くのはイヤなんだよね」って(笑)。

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