「死ぬ呼吸法」“肺活”で寿命は10年伸びる!の画像
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 息切れや咳、痰は肺が弱っている証拠。呼吸法と生活習慣を改善しないと寿命がどんどん短くなっていく!?

 最近「肺年齢」という言葉が注目されている。「肺年齢」とは、いわゆる肺活量のことで、これが落ちると、加齢とともに体のあちこちに不具合が出てくるといわれているのだ。

 死を早めない呼吸を日常生活で簡単に取り戻す方法、これを「肺活」と呼ぶ。解説してくれたのは、循環器内科専門医で、「肺活」にも詳しい『みつばちクリニック』グループ代表(大阪府・阿倍野区と寝屋川市)の橋本惠院長だ。「体への空気の出入りを司る肺の周りの筋肉が衰えると、酸素の取り込み効率がガクッと低下します。そして、タバコは肺にとって猛毒。肺を健康に保つために禁煙は必須です」

 呼吸そのものにも、健康へのカギが潜んでいる。「無意識に呼吸したり心臓を動かしてくれる自律神経は、交感神経と副交感神経に分類され、前者は昼間に活発になり体を戦闘状態に、後者は夜に優位になり、心に安らぎをもたらします。ストレスの多い現代人は、長時間、交感神経優位な状態になりがちです。自動車にたとえれば、いつもアクセルを全開にしているようなもの。すると高血圧や心拍の亢進などのため血管系の老化が進み、動脈硬化などの原因になります。野良猫が家猫に比べて寿命が短いのも、心の安らぎ=副交感神経の優位の状態が格段に少ないためです。安らぐ間がないんですね」(同)

 こうした自律神経のアンバランスを解消するのに、呼吸法が有効だというのだ。

 橋本氏によれば、心臓は自由自在に止めたり動かしたりはできないが、呼吸(肺)は意識的に止めたり、深く吸ったり吐いたりすることができる。つまり、呼吸こそが顕在意識と無意識領域の自律神経との重要な架け橋だというのである。健康な肺と正しい呼吸法を通して新鮮な空気を体の隅々まで送り込み、さらに、副交感神経を活性化して真のリラックスを得ることができる――。それが「肺活」なのだ。

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