宮藤官九郎
宮藤官九郎

 6月9日の放送回で、6.7%というNHK大河ドラマ史上ワーストとなる視聴率を叩き出し、その後もヒト桁台の苦戦が続いている『いだてん~東京オリムピック噺~』。

「打ち切り」「テコ入れ」といった、景気の悪い話題がネットで取り沙汰されている中、当の脚本家・宮藤官九郎(48)はいたって意気軒昂。7月4日発売の『週刊文春』(文藝春秋)の連載コラム「いまなんつった?」の中で、最終話の第一稿を脱稿したことを報告し、「とりあえず打ち切りとかテコ入れとか一切ないからな」と高らかに宣言しているのだ。

「ドラマは、6月30日放送の第25回『時代は変る』から第二部に突入しました。主人公は中村勘九郎(37)演じる日本最初のオリンピック選手・金栗四三から、阿部サダヲ(49)演じる東京オリンピックの組織委員会事務総長・田畑政治にバトンタッチ。主人公のカラーの違いもあって、ドラマがテンポよく回転し始めたと話題になってます」(ドラマウォッチャー)

 阿部演じる田畑の破天荒なキャラと宮藤官九郎脚本の相性が良く、「阿部サダヲが生き生きと画面の中を駆け回っているのが面白い」と、ファンの間では好評のようだ。

「第二部に入って、登場人物も大幅に入れ替わり、空気も変わっていきそう。第25回では、桐谷健太(39)や薬師丸ひろ子(55)、リリー・フランキー(55)などが新たに登場しましたが、この後も、斎藤工(37)、星野源(38)、松坂桃李(30)などの人気イケメン俳優が本格的に登場してくるようです。『いだてん』の反転攻勢が始まるかもしれません」(前出のドラマウォッチャー)

 低視聴率が続いていた『いだてん』だが、ドラママニアの間では作品への評価が回を追うごとに高まっていた。金栗四三編の終盤、女子スポーツへとテーマが移り始めた頃から、ネットでは「神回」という反響が続出。関東大震災の悲劇を描いた第23回は「涙なしでは見られない」という感想が数多く見られた。

「評判が高まったところで、満を持して主人公が交代。これはいい流れだと思います。とにかく、第二部では阿部サダヲが水を得た魚のように大活躍しそうです」(前同)

 宮藤官九郎自身も前述のコラムの中で、「放送はようやく折り返し、田畑編が始まったばかりです。やっぱり阿部くんは面白い。声出して笑っちゃう」と書いている。同じ劇団『大人計画』に所属し、同じバンド『グループ魂』のメンバーでもある盟友・阿部の演技に全幅の信頼を置いているようだ。

 6月30日の視聴率は8.6%とまだ低かったが、最悪の頃から比べると、下げ止まって上向き始めた可能性もある。今後、星野源や斎藤工といった人気者が登場することで、さらに数字は上がっていくかもしれない。

「NHKのことですから、視聴率アップのために、まだまだ“隠し玉”を用意している可能性はありますね。ただ、“打ち切りとかテコ入れとか一切ないからな”というクドカンの自信ありげな物言いは、過去最高レベルの脚本ができたということではないでしょうか。これまで、『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)『木更津キャッツアイ』(同)『あまちゃん』(NHK)など、社会現象レベルの作品を生み出してきた天才脚本家の不敵な宣言に、大いに期待したいです!」(テレビ誌記者)

 後半戦の始まった『いだてん』。いよいよ逆襲が始まる!?

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