安倍晋三首相
安倍晋三首相

 6月26日の閣議決定で、直前まで匂わせていた衆参同日選を見送った安倍内閣。いよいよ参議院選挙は7月4日公示、21日投開票と確定した。与党の突然の翻意について、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう見る。「例の“老後2000万円問題”から明らかに風向きが変わってきましたからね。その最大の原因は安倍政権が高齢者の貧困クライシスを、ここに至ってもなお隠し続けていることです。まだ内閣支持率は不支持率を上回っていますが、投票所に行く高齢者の支持離れが進んでいます。当初、自民党は参院選で50議席後半を確保できると予測していましたが、今は50議席ギリギリ、50議席割れだってないとは言えません」

 なお、今回の改選議席は124(選挙区74。比例50)。自民の今回改選議席は69だから、50議席となれば19議席も減らすことになる。それでも、16年の選挙で自民党は圧勝しているため、参議院全体で見れば、仮に自公で25議席減でも、なお過半数割れにはならないというのが現実だ。

 一方で、安倍自民が大勝すると見る向きもある。「海外にお金を出すだけで、なんの成果も出していないのに、“外交の安倍”というポジティブなイメージを持っている人もいますからね。マスコミやタレントもうまく取り込んでいるし、流れは圧倒的に与党有利でしょう」(自民党関係者)

 では、安倍自民が大勝したら、どうなるのか。「10月から消費税が10%に引き上げられるでしょう。ポイント還元期間の延期といったアメのバラ撒き、東京五輪ムードにも乗って衆議院解散で勝ち、安倍4選もありえます」(前出の鈴木氏)

 また、大負けしない以上、年金問題にメスが入れられることはないという。「老後2000万円問題」も、給付年齢をさらに先送りしたあげく、いきなり金額を半減……なんていうシナリオもないとはいえない。さらに、野党関係者はこうも語る。「これまで以上に年金崩壊が進み、公文書の隠蔽が横行しかねない。のみならず、このまま米国への隷属が続けば、財政破綻、さらには集団的自衛権行使での自衛隊派兵もある。その結果として我が国土が攻撃を受けるという、悪夢のような事態に発展することも十分ありえます」

 自公および維新を合わせて、憲法改正に必要な3分の2の議席を維持できるかどうかも、今回の参院選の大きな焦点だ。鈴木氏は危惧する。「ともかく1つの政党が大勝ちではなく、拮抗している状態が望ましい。そういう意味からも、この参院選で安倍政権に国民がお灸を据えられるかどうか、その結果は極めて重要です」

 未来を決める重要な局面を迎えた日本。来る参院選では棄権だけは避けたい。

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