郵便局員に騙されるとは…生命保険「絶対騙されない」見直し術の画像
写真はイメージです

 日本郵政グループ傘下のかんぽ生命が、顧客に不利益となる保険の契約をさせていたという、前代未聞の不祥事が明らかとなった。「6月27日に、かんぽ生命が発表したデータによると、被害件数はおよそ2万4000件。その多くが高齢者でした」(全国紙記者)

 かんぽ生命は、保険の販売を郵便局に委託。地域密着型の利点を生かし、郵便局員が保険のセールスマンも兼ねている。「高齢者を言葉巧みに誘導し、条件の悪い保険へと乗り換えさせたといわれています。まさか顔なじみの郵便局員からだまされるとは、誰も想像しなかったはず。信頼を悪用した許されざる行為です」(ジャーナリスト)

 ただし、かんぽの不正契約は、けっして対岸の火事ではない。ファイナンシャルプランナーの平野敦之氏は、こう警告する。「かんぽに限らず、保険は細かな取り決めから成り立っています。ただ、多くの人にとって、それをすべて把握するのは面倒くさいもの。なので、“よく分からないから、お任せします”となりやすい。結果、内容をよく理解しないまま契約してしまう恐れは十分にあるんです」

 この機会に、現在加入している保険に不利益やムダはないか、検証してみるのも手。そこで今回は、保険の簡単な見直し方を伝授していく。

 前出の平野氏によると、保険の見直しにあたっては、最低限チェックすべき点があるという。「毎月、掛け金を支払っているのに契約内容を忘れた、覚えていないという人は珍しくありません」(平野氏=以下同)

 たとえば、保険料が毎月いくらか、それをいつまで支払うのか。さらには保障の内容、途中で掛け金や保障が変化することはないか、などを再確認する。「保険に入ってからの年数が経過しているほど、加入したときと状況は変わっているはずです。仮に加入時に子どもが幼かった人でも、もう自立しているということであれば、死亡保障などは減らせる可能性があります。またシニア世代であれば、加入時期によっては、今よりも有利な条件の保険に入っている場合もあります」

 保険の内容を確認後、このようにチェックしていけば、自分に今、どんな保険が必要か、見えてくるのだという。保障が増えると、支払う金額も増えるのは必然。本当に必要な保障を明確にすれば、ムダを省くことにつながるというわけだ。

 では、具体的に見直す際のポイントとなるのは、どんな部分なのだろうか? 平野氏は、疾病に関する保障を例に挙げる。「民間の保険に加入する前に、まずは公的な保障が、どれだけあるかチェックしてみましょう。医療費なら現役世代は3割負担ですが、さらに高額療養費制度で負担は軽減されます」

 会社員ならば傷病手当金もあるし、会社によっては個別に保障制度を設けているケースもあるという。「そういった保障で不足する分を、保険でカバーすることを検討してみては」

 確かに、保険に頼らずに受けられる保障があれば、ムダな出費は避けられるだろう。

 これまでの保険を見直してみて、乗り換えや新規の契約をしたいと考える人もいるはず。その際、シニア世代ならではの注意点もあるようだ。「50〜60代になると、1つ年を取るごとに、支払い額や受け取り金が大きく変わってきます。また、健康状態によって保険に加入しにくいこともあります」

  1. 1
  2. 2