中川大志
中川大志

 連続テレビ小説なつぞら』(NHK)は、ヒロインのなつ(広瀬すず/21)がアニメと真剣に向き合う場面が増えている。ものづくりの大変さと面白さを見事に伝えるとともに、いろいろな人の感情や葛藤がこれに盛り込まれ、ドラマとしても奥行きを増してきた印象だ。ここでは7月20日の放送を振り返り、今後の注目ポイントについて考えてみよう。

 なつが作画を担当した短編映画『ヘンゼルとグレーテル』がついに完成。坂場一久(中川大志/21)に「これで満足していますか」と問われたなつは、「もっと、いっきゅうさん(坂場)と作りたいです」とその想いを伝えた。その後、休暇で訪れたハイキングで麻子(貫地谷しほり/33)が結婚のため仕事を辞めることを皆に告げて……という展開だった。

 なつを厳しくも優しく見守り続けてきた先輩アニメーター、麻子が引退を発表するという急展開に驚きを隠せなかったが、この放送はドラマにとっても大きな回だった。というのは、なつと坂場一久の距離がさらに縮まり、ますますイイ関係になってきたのだ。

 作品を思うがあまり、ムリな要求をする不器用な演出家、坂場は当初、なつとのやりとりも噛み合わずギスギスしていたが、仕事を通してお互いを分かり合えるようになってきた。これはこのまま恋に発展する? そのやりとりにはいつもドキドキさせられるが、2人の恋の行方は今後の『なつぞら』の最注目ポイントだろう。

 中川大志といえば、実は2015年からシーブリーズのCMで広瀬すずと共演していた。当時からもちろんイケメンとして注目されていたのだが、このCMの主役はあくまで広瀬すず。15年は『学校のカイダン』(日本テレビ系)で主演し、大ヒットした映画『海街diary』にも出演するなど、まさに広瀬すずのブレイク年だった。広瀬の存在感が圧倒的で、残念ながら先輩役の中川に注目していた人は少ないだろう。中川は当時、名もないイケメンでしかなかったのだ。

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