■トンデモ健康法ウォッチャーの山田ノジル氏の見解は?

「『手かざし施術』は、民間療法の『気功』や『霊気(レイキ)』、新興宗教などが行っていることがよく知られています。個人的な意見ですが、これらも含め、スピリチュアル界隈で行われている手かざしは、“心のケア”の部分が大きい印象です。他者が自分の不調の治癒を祈ってくれることに安堵しリラックスする……という効果くらいしか、想像ができません。

 手かざし療法のパンフレットで、“骨折も治った!”という体験談を目にしたことがあります。しかし人体には『自然治癒』機能がありますので、治ったとしても十中八九それによるものではないでしょうか。しかし、この手のビジネスは、そこを“自分の手柄”にすり替えるのが定石です。手かざしの場合は『自然治癒力、免疫力が手かざしで高まったから』と謳うケースが多そうです。

 ただ、保険診療の範疇ではケアしてもらえないような部分、例えば悩みを親身に聞いてくれるなど、をカバーする役割も担う施術者も多いので、需要があるのは確かでしょう。しかし、『根拠も因果関係もなく疾患が治る』と謳うことはやはり“ルール違反”であり、深刻な病気が悪化する危険性も否めません。無責任な宣伝や口コミは控えるべきだと思っています」

 あきら。の施術料金、40分10800円という金額はどのように感じるのだろうか。

「一般的なマッサージとしては、“やや高い”程度で、ものすごく高額なわけではないと思います。芸能人が通うような有名ボディケアサロンなどは、1回(2~3時間)3~5万円程度の金額設定はざらで、街の庶民的なマッサージですと一般的には10分1000円前後。

 風俗が特殊技術をもってしてそれよりも高額な設定をするならば、有名人(あきら。氏)のスピリチュアルトーク込みと考えれば、そこまで高額とは思えません。ただし、その施術効果の高さを期待してその代金を払った人にとっては、高額と思われても仕方ありません。

 スピリチュアル系の治療は、科学(医学)と違い、語れることの自由度が高いのが特徴です。特に歴史がなくオリジナルの手法になればなるほど、施術者のありかた次第で言いたい放題。根拠となる理屈がない状態ですので、効果が出ない理由も無限大です。よく耳にする言い訳は“(受ける側の)感謝の心が足りないから”。

 そしてどんなジャンルでも言えることですが、注ぎ込んだ額が高額になればなるほど、“元をとらないと、努力や金が無駄になるから引き返せない”という心理が働くでしょう。そして泥沼へ……という展開が多いのではないでしょうか。スピリチュアル系の治療が人の不安につけこむ点は、悪質としか言いようがありません」

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