シリーズ「アイドルと結婚できる職業」第9回 ミュージシャン

 モーニング娘。の初期メンバーは今やほとんどが既婚者。AKB48のかつての神7もすでに3名が結婚し、乃木坂46にもウエディングベルを鳴らす元メンバーが登場し始めている。

 彼女たちがパートナーとして選んだ男を並べてみると、“握手会で知り合ったファン”というのは見当たらず、その職業、社会的立場にはある程度の偏りがあることが分かる。

 世の中には、アイドルと結婚できるチャンスが大きい職業というのがあるようだ。

 そこで、この連載ではアイドルとの結婚をガチで考えている方のために“どんな職業に就けばアイドルと結婚できるか”について、検証していきたい。

60年以上前からミュージシャンはアイドルの恋愛対象!

今から35年近く前、小泉今日子が歌ったヒット曲『なんてったってアイドル』は、アイドルという職業そのものをテーマとした稀有な楽曲である。秋元康によるその歌詞には、恋の相手として、「いかしたタイプのミュージシャン」が登場する。

 男性ミュージシャンと女性アイドル、歌手、女優、タレント、モデルの結婚の歴史は古い。美空ひばりは小林旭と結婚する前に、一度、婚約を発表している(のちに解消)。終戦から11年後、1956年のことだ。その相手は「小野満とスイング・ビーバーズ」というビッグバンドのリーダーである小野満という人物だった。

 プロ野球選手やお笑いタレントとアイドルとの結婚が増えてきたのは、せいぜい90年代以降のこと。それに対し、ミュージシャンは大昔から“アイドルと結婚できる職業”なのである。

 そこで今回から前篇・後篇の2回に分けて、日本のポピュラー音楽界の大きな潮流ごとに、ミュージシャンとアイドルの結婚について分析していきたい。なぜ、セパレートするかというと……あまりに凡例が多すぎるからである。

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