日本ダービーの翌週からスタートした2歳新馬戦。どの勝ち星も同じようにうれしいんですが、来年のクラシックにつながる2歳のレースはうれしさと同時に、なんとも言えないワクワク感があります。キズナ、エピファネイアと並び今年、新種牡馬としてデビューしたゴールドシップ産駒サトノゴールドで挙げた勝利も、そんな明日を予感させるものでした。

 出走したのは、父と同じ函館芝1800メートル。厩舎も須貝厩舎で、担当も父と同じ今浪隆利厩務員。何から何まで同じです。精神的にまだまだ幼く、まじめに走ったのは最後の1Fくらいでしたが、その気性面と切れ味は、勝つときは、これ以上ない強さで勝つけど、激しい気性ゆえに、あっけないほど簡単に負けてしまうこともあった父ゴールドシップ譲りです。皐月賞、菊花賞、有馬記念、宝塚記念(2度)、天皇賞(春)と6つの勲章を持つ父と同じ、芦毛のサトノゴールド……今後の活躍に期待してください。

■G3小倉記念に参戦!

 それでは、今週の騎乗馬についてお話しましょう。8月第1週の4日、日曜日は小倉競馬場で行われるG3小倉記念に参戦します。

 現在ほど交通網が発達していなかったデビュー当時、夏は生活道具を含めた荷物と一緒に小倉に入り、1か月ほど滞在。平日、調教を終えた後は先輩の後ろにくっついて、夏の小倉ならではという、おいしいものを味わい尽くしていたのを懐かしく思い出します。

――小倉の調整ルームにはお化けが出る。そんなウワサ話で、大いに盛り上がっていたこともありました。

 この小倉で行われる古馬の重賞競走は小倉大賞典と北九州記念、そして今週末に行われる小倉記念と全部で3つ。この中で僕が最初に手にしたのは、北九州記念のタイトルです。パートナーはムービースター。デビュー5年目の夏でした。次に勝ったのが、デビュー9年目、1995年の小倉大賞典。パートナーはメイショウレグナムです。さらに、その3年後の98年には、あのサイレンススズカでも勝っています。最後の一つ、小倉記念を制したのは、それからさらに6年後の04年。パートナーはただ一頭、小倉三冠を同一年(05年)に制した名馬、“小倉の鬼”とも“小倉の横綱”とも“小倉の帝王”とも呼ばれたメイショウカイドウです。

 今年、このレースで僕のパートナーを務めてくれるのは、ロイヤルブルーの勝負服でおなじみ、ゴドルフィンの期待馬、アイスストームです。初コンビとなった今年5月19日の調布特別を快勝。レース後、「近いうちに重賞を勝てると思います」と言いましたが、続く2戦目、6月22日の垂水Sを完璧な形で勝ったことで、より自信を深めました。メイショウカイドウの2度を含め、13年のメイショウナルト、昨年のトリオンフと、これまで4度の戴冠。今年はアイスストームで勝って、小倉でおいしいお酒を飲みたいと思います。

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