■えっ? あのCMにも!? 中村倫也の出演作を振り返る

 ここで中村の略歴を振り返ってみよう。2005年、18歳のときに映画『七人の弔』で俳優デビューを果たすも、本格ブレイクはアラサー以降という“遅咲き俳優”である彼。多数の作品に出演し、長年地道に演技の刃を研いできただけあって、その実力は折り紙つき。いまだにダイワハウス『D-room』のCMに登場する、気の弱そうな上野樹里の“草食系夫”が中村であることに気づいていない人も多いのではないだろうか。

 彼の認知度を飛躍的に高めた『半青』では“ゆるフワイケメン”の朝井正人を演じ、退場時に“正人ロス”を巻き起こした。その後も『崖っぷちホテル!』、『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』(ともに日本テレビ系)、『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)と毎回役によってまったく異なる顔を見せてきたが、中村倫也史上“最高傑作”となりうる要素がふんだんに詰まっているのが、今作『凪のお暇』で演じるゴンだ。

 劇中のゴンは「イベントオーガナイザー」という肩書きで紹介され、腕にはタトゥーというそれまでの凪の生活とはかけ離れた人物。現実では敬遠されがちなパリピオトコだが、中村の醸し出すゆる~い空気感が何ともたまらない。3話では早くも凪とゴンのベッドシーンが描かれ、ネット上では「中村倫也うますぎる…リアル…」「鼻血でる~‼」「今日から好きな俳優中村倫也になった」「キュンキュンして眠れそうにない」と大盛り上がり。ツイッターでも「ゴンさん」「中村倫也」といった関連ワードが複数トレンド入りするなど、ノックアウトされる女性が続出した。

 ドラマ効果は絶大で、7月31日に中村がツイッターにアップした3枚の自撮り写真は合計で50万超の「いいね」を獲得。フォロワー数も日に日に増え90万人を突破するなど、ゴン役が新たなファン層の開拓に一役買っていることは間違いない。

 あるTV番組のインタビューでは、自らを「器用なタイプではない」と評していた中村。しかし、今作でも見事に“カメレオン俳優”の本領を発揮しており、昨年以上のフィーバーの予感を十分に感じさせる。

 思い返せば、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)では星野源が、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)では田中圭が一気にスターダムに躍り出たように、俳優にとって“アタリ作品&役”というのは俳優人生を左右する。『凪のお暇』は視聴者の初回満足度1位(「オリコンドラマバリュー」調べ)を獲得、さらに初回の無料見逃し配信の再生数も同局ドラマの歴代最高記録を叩き出すなど、“アタリ作”の匂いは既にムンムン。役者たちの頑張り次第では、さらに大きく化ける可能性を秘めているのだ。

 とにもかくにも、芸達者なキャスト陣によるテンポのよい掛け合い、生きにくさを抱えた現代人の心にじんわり沁みるストーリーは一見の価値あり。あなたも現実を一旦リセットして、ドラマの世界観にどっぷり浸ってみてはいかがだろうか。

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