■扇風機の併用や室外機にも注意

 さて、いくら経済的とはいっても、設定温度が27〜28度では、暑く感じてしまう人もいるかもしれない。そんな人に、前出の古館氏がオススメするのは、扇風機の併用だ。「冷えた空気は、部屋の下部に溜まりやすい。扇風機を使うことで、それを部屋全体に拡散してあげれば、同じ温度設定でも快適になります」

 扇風機の電気代は、だいたいエアコンの100分の1ほど。気になるような額にはならないだろう。「扇風機は“弱”運転であっても、その風を浴びるだけで体感温度が3度下がるといわれます。ただ、長時間、直接、風に当たり続けると冷えすぎてしまうので、ご注意を」(前同)

 風呂上がりや帰宅直後など、暑くて仕方ないときは、こんな方法もある。「首筋や脇の下など、太い血管がある部分を冷やすことで、体感温度は一気に下げられます。タダでもらえる保冷剤をタオルにくるんで使えば、お金もかかりません」(前出の和田氏)

 また、エアコンに関しては、意外なところでも電気代に大きな差がつくようだ。それは室外機だ。「室外機は外の空気を取り込み、部屋の暑い空気を外に排出する役目をしています。その室外機が直射日光で熱くなっていると、効率的に熱のやりとり(放熱)ができず、ムダな電気代がかかってしまうんです」(古館氏)

 また、吹き出し口の前に物やゴミがあっても、外気がうまく取り込めず、同様に電気代がかさむ原因となってしまうという。今すぐ室外機周辺を清掃し、もし日なたに設置してあるようなら、対策をしたほうがいいだろう。「最近は、室外機専用の日よけカバーも市販されています。すだれや、100円ショップのサンシェードなどで代用する人もいるようですね」(前出の家電ライター)

 和田氏は、エアコン本体の掃除も重要だと説く。「2週間に一度、エアコンフィルターをキレイにしてください。ほこりを掃除機で吸い取る程度でかまいません。それだけでも約5%程度、電気代の節約になるといわれています」

 空気中のゴミがエアコンのフィルターに溜まると、スムーズに空気を吸い込めず、室外機同様、ムダな電力を消費してしまうのだ。

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