週刊大衆『ボートレース訓練生・美波』第23回
週刊大衆『ボートレース訓練生・美波』第23回

 ボートレーサーにとってフライングは絶対やってはならない行為のひとつです。本番でのフライングは舟券を返金しなければならないだけでなく、レース全体にも多大な悪影響を与えます。

 考えてもみてください。自分の贔屓の選手がレース開始早々にフライングで舟券に関わらないことになったら、一瞬にしてテンションはだだ下がりです。多くのお客さんが、そのレースの勝敗に絡めなくなってしまうのですから、それもむべなるかなです。

 確かに、フライングを犯した選手の購入舟券は返金されますが、「もしスタートが正常で、その選手が勝っていたら」ということを考えると、後味が悪いことこの上ありません。

 もちろん、フライングを犯した選手にも「出場停止」などの重い処分が下されます。出場停止処分の間は収入が途絶えますので、それこそ選手にとっては死活問題です。

 ゆえに、フライングはお客さんにとっても選手にとっても不幸を招く行為なのです。

 このような悲劇を起こさないために、ボートレーサーは常日頃から時間に関しては厳格に生活しています。そして、それは養成所時代から訓練されます。集合時間はもちろんのこと、食事、入浴、就寝など、生活のすべてを分刻み、秒刻みで行動しなければなりません。当然、遅刻は厳禁です。

 面白いのは「早すぎてもいけない」ということ。漫画にあるように、起床時はたとえ早く起きていても、ブザーが鳴るまでは行動してはいけません。

 これは、時間に対する正確さを養うと同時に選手の体調管理にも役立っています。休み時はギリギリの時間までキッチリ休む。これも、プロのボートレーサーの大切な要件のひとつといえるのです。

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