夏の小倉で行われた新馬戦(芝1800メートル)で、待望の初勝利を挙げることができました。

――えっ!?  初勝利? 首を傾げている方に、うれしい報告です。今年から初年度産駒がデビューした、新種牡馬キズナの血を引き継ぐ女の仔、シャンドフルールが、牡馬を相手に強い競馬を見せてくれました。

 16頭立てで行われたこのレース、5枠9番から飛び出し、好位につけたシャンドフルールは、最後の直線で早めに先頭に立つと、そのまま後続を抑え込み、見事、デビュー戦で、その期待に応えてくれました。500キロを超える大型馬で、たっぷりと余裕を残した中で、このレースができるのですから、この先が、ものすごく楽しみです。

 スタート、乗り味、レースセンス、反応の良さに加えて、トビの大きさは父親譲り。女の仔に、ディープインパクトからキズナ、そしてその仔へと続く親子3代にわたる日本ダービー制覇を期待するのはちょっと酷ですが、もしかしたらと、期待を抱いてしまいます。

 キズナを所有していたのは、前田晋二オーナー。シャンドフルールのオーナーは、晋二オーナーのお兄さんである幸治氏の夫人、葉子さん。勝負服もそっくりなので、皆さんもぜひ、注目してください。

 それでは、今週の騎乗馬です。今年の夏は、けっこう、移動が多かったなぁと思いながらスケジュールを確認してみると、夏競馬が始まった6月最終週の土・日は、函館と福島。7月は1周目の土曜日が函館、日曜日が中京。その後2週続けて函館に滞在し、最終週の土曜日は小倉で日曜日が札幌。8月に入り、1週目は小倉でしたが、2週目は、土曜日が小倉で、日曜日が札幌と、かなり頻繁に移動していました。

――それだけ移動していたら、疲れるのでは? 体調のことを心配してくださる方もいますが、大丈夫です。若い頃から、移動による疲れや、時差ボケはほとんど感じたことがなくて。丈夫な体に生んでくれた両親に感謝ですね。

 今週も、土曜日は札幌、日曜日は小倉と北から南への大移動。しかも、両日ともに、メインレースで2歳重賞戦に挑みます。土曜日は、サトノゴールドをパートナーに札幌2歳S。日曜日はラウダシオンとのコンビで小倉2歳S。どちらも、来年のクラシックにつながる重要なレースです。ゴールドシップ産駒のサトノゴールドとリアルインパクト産駒のラウダシオン。サトノゴールドは函館の新馬戦を、ラウダシオンは阪神の新馬戦を、それぞれ危なげない競馬で勝ち上がった素質馬で、ここの結果、内容によっては、一気にクラシックの主役候補へと駆け上がります。

 勝ったときはどんなレースでもうれしいし、負ければ悔しい。でも、同じ1勝でも、2歳馬で挙げた1勝は、いつもとはちょっと違った喜びがあります。

 明日へ――希望の光が、みんなの心を明るくする2歳戦。勝利を目指して頑張ります。

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