満島ひかり
満島ひかり

シリーズ「アイドルと結婚できる職業」第13回 映画監督

 モーニング娘。の初期メンバーは今やほとんどが既婚者。AKB48のかつての神7もすでに3名が結婚し、乃木坂46にもウエディングベルを鳴らす元メンバーが登場し始めている。

 彼女たちがパートナーとして選んだ男を並べてみると、“握手会で知り合ったファン”というのは見当たらず、その職業、社会的立場にはある程度の偏りがあることが分かる。

 世の中には、アイドルと結婚できるチャンスが大きい職業というのがあるようだ。そこで、この連載ではアイドルとの結婚をガチで考えている方のために“どんな職業に就けばアイドルと結婚できるか”について、検証していきたい。

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“アダルトビデオの帝王”と呼ばれた村西とおるを山田孝之が演じたNetflix配信のオリジナルドラマ『全裸監督』が話題を呼んでいる。この作品は、今回のテーマとまったく無関係ではないがちょっと違う。取り上げたいのは、全裸監督ではなく映画監督だ。それは、“アイドルと結婚できる”という部分だけをとっても“ナイスですね〜”な職業なのである。

 なお、元おニャン子クラブの高井麻巳子と結婚した秋元康、中山美穂と結婚〈*〉の辻仁成のように本業が他にあり“映画監督もやったことがある人”ではなく、映画、映像、動画の監督を専業としている人物、専業でなくとも恒常的に作品を発表している人物に絞りたい。

 男性映画監督が自らの作品に出演した女優と結婚するというのは、世界に共通する図式だ。スティーヴン・スピルバーグもジェームズ・キャメロンもしかりである。

 日本でもその歴史は古い。なにしろ、1927(昭和2)年に清水宏という監督が、自作『村の牧場』(24年)で初主演を果たした田中絹代と結婚(事実婚)した例があるのだ〈*〉。当時、田中は18歳。今で言えば欅坂46の平手友梨奈の年齢だ。

 ちなみに、当時の日本映画はまだサイレントの時代。つまり、映画に音がなかった頃から、映画監督は“アイドルと結婚できる職業”だったといえる。

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