月300円で使い放題!?「水道料金が安い街、高い街」ランキングの画像
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 “三大ライフライン”のうちの二つ、ガスと電気が自由化されたのに続き、最近は、水道の民営化が大きな話題になっている。しかし、ガスや電気に比べ、水道の料金には無頓着だという人も実は多いのではないだろうか。「水道料金が“全国一律”だと思っている人は少なくありません。ですが、実は地域によって値段は違い、その差は何倍にも上るほどなんです」(全国紙記者)

 そこで今回は、「公益社団法人 日本水道協会」が発行する『水道料金表』(平成30年版)を基に、水道料金のデータをランキング化してみた。まず、都道府県別で見てみると、最も水道料金が安いのは神奈川県で、1か月あたり2132.9円(家事用・20立法メートルあたり/以下同)。対して、一番高いのは青森県の4418.2円となり、実に2倍以上の開きがあるのだ。

 さらに、市区町村別のランキングに目を移せば、最も水道料金が高いのは北海道の夕張市で月額6841円。最も安い兵庫県の赤穂市(853円)と比べると、その差はなんと約6000円。年間で7万円以上も違ってくるというのだから驚きだ。夕張市といえば、財政破綻で2007年に財政再建団体に指定されたことでも知られる。水道料金が高いのは、そのあたりも影響しているのだろうか? 同市に尋ねてみた。「夕張市は平成24年と27年に水道料金を値上げしています。これは財政破綻が原因というより、水道施設の老朽化と人口減少が主な原因でした。もっとも、人口が減ったのは財政破綻によるところが大きいですから、それが遠因になったと言えないこともないんですが……」(同市土木水道課)

 つまり、自治体の財政事情だけが、水道料金に影響するというわけではないらしい。では、水道料金はどのようにして決まるのか?「水道事業は地方自治体が運営していますが、水の調達コストや管理費、さらには利用人数などで料金が変わってくるんです」

 こう解説するのは、公共料金に詳しいジャーナリストだ。さらに続ける。「たとえば、ダムなどの大型施設を保有していれば、調達コストは高くなりますし、当然、維持費もかかる。これが料金に跳ね返るわけですね」(前同)

 また、水を供給する水道管などの維持管理費も、料金に反映される。「人口が密集している地域は効率的に配管できますが、人家のまばらな地域は、どうしても非効率的になる。加えて、水道料金は基本的に利用者による頭割り。人口の多い都市部のほうが安い傾向があるのは、このためです」(同)

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