■『郷』と『道』のギャップ

――『郷』パートと『道』パートが順番にやってくるというのが、また面白いですね。『郷』で巻き起こる、老人たちのバカバカしいエピソードと、『道』の深刻さ。さっきまで笑わされていたと思えば、次の瞬間には泣かされているという。倉本先生はそのギャップも計算して脚本を書かれているわけですね。

 もちろん。2つの物語があって、どこで入れ替わるかも不定期で、そういったところは、本当に細かく作戦を立てて、構成されていますね。なぜ、ここで『道』から『郷』に移るのか。

 かと思えば、現代の『郷』の菊村の部屋に、しのと三平がやってきて「早く続きを書いてください」って懇願したり。このシーンはこのドラマにしかできないことですし、あれを最初に脚本で読んだ時は、鳥肌が立って、のけぞりましたよ。

 終戦記念のあたりに、あえて『郷』では無礼な芸人軍団をぶちのめすコメディみたいな話をやって、それが終わったと思ったら、『道』では、戦争が激化し、兄が亡くなり、立て続けに悲劇が畳み掛けてくる。そのギャップ。その構成、凄いと思います。

――最近は、菊村の周囲には亡くなったはずの方が現れるようになりました。いよいよ、彼自身も、現実と夢が交錯し始めているようですが。

 そういうふうに思った人もいたようですね。どういう取り方をしていただいても構いません。

 確かに、亡くなった妻の律子(風吹ジュン)が出てきていたり、姫(八千草薫)も幽霊ででてきたり、お父さんの幽霊(梅宮辰夫)も出てきたり。

――梅宮さんの登場は驚きました。あまりアナウンスされていなかったような気がしますが。

 ほとんどアナウンスしていないですね。やはり、局で宣伝してもらえるのは、圧倒的にゴールデンタイムの番組が中心なので、宣伝は自分たちでしなきゃいけないと思っています。

 放送の中で、次につながる“話題提供”を自分たちでしていくように心がけていますね。例えば前作では、予告なしに脚本の倉本聰先生と、主題歌を歌った中島みゆきさん(67)に、夫婦役で出演していただきました。

 SNSなどで反響があった時に「もう出ないとは言っていませんよ」とだけ発信したんです。そうすると、みんな「また出るの!?」と話題になる。

 あと、前回は上川隆也さん(54)、神木隆之介さん(26)、向井理さん(37)、笑福亭鶴瓶師匠(67)といった豪華なゲストに、ワンシーンだけ出ていただくといったこともしました。放送が始まってすぐに「実はこんなゲストが出ます」と発表してしまっているんですが、いつ出るかは一切言わない。そういったことを試行錯誤の中でやっています。

 今回も、「梅宮辰夫さんが出ます」というのも、もちろん事前には発表したんですが、ギリギリまで言わずに、具体的なことも明かさない。見ている人たちが、「『やすらぎの刻 ~道』というドラマは、ちゃんと見ていないと、いつ何が起こるか分からないぞ」と話題にしてくれる、そういった“ワクワク感”を作ることのほうがすごく大事なのかなと思っています。

 だから、これから先も何が起こるかわからないです。

――個人的には、今作でも藤竜也さん(78)、倉田保昭さん(73)、伊吹吾郎さん(73)のアクションシーンを拝見できて嬉しかったのですが、もうひと暴れされるんでしょうか?

 後半に、もっとすごいシーンがありますので……。

――最後に『やすらぎの刻 ~道』の今後の展開についてお教えいただけますか。

 現在、『道』は昭和編ですが、後半に入ると平成編になります。風間くんや清野さんではなく、橋爪功さんや風吹ジュンさんが主役になり、『郷』も『道』も年配が主人公になって、趣がだいぶ変わってくると思います。

 撮影はまだ6割ほど。今後も衝撃の展開を倉本先生は書いてくれていますので、ぜひお楽しみにしてください!

 放送はまだ4合目。まだまだ間に合う。あなたも歴史的ドラマ誕生の目撃者になってみるのはいかがだろうか。

 

『やすらぎの刻~道』
テレビ朝日(月~金)午後12時30分~12時50分
BS朝日(月~金)午前7時40分~8時
TVerでも配信中。

『やすらぎの刻~道』シナリオ集1~2巻、双葉社より発売中

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