黒木華
黒木華

 ドラマの登場人物が着ている変なTシャツが、ストーリー展開とは別に注目を浴びることが増えている。昨年春の月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)では、主人公のダー子(長澤まさみ)が派手なキャラで、着ているTシャツもロダンの彫刻“考える人”をモチーフにしたイラストや、大仏のイラストに“ぶっだくん”とロゴが入ったものなど、意味不明なデザインが視聴者の間で話題になった。

 また、今年春のドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)では、“ジルベール”こと井上航(磯村勇斗)が着ていた、普通のネズミがマチ針を持ったイラストに“針ネズミ”のロゴが入ったTシャツが注目を浴びた。視聴者の間で「どこで買える?」などと、商品化を望む声が多く上がったためか、ドラマの公式グッズとして発売された。

 現在放送中の夏ドラマの中で“変なTシャツ”が注目されているのが、黒木華主演の『凪のお暇』(TBS系)だ。実はそのデザインにドラマの内容とリンクさせたメッセージが込められているのではと、視聴者から深読みした推測の声が出ている。

 たとえば第2話で、仕事を辞めて東京郊外に引っ越した主人公の凪(黒木華)が着ていたのは、“ROMA”のロゴのTシャツで、深読みすると、某国の王女が城からローマの街に抜け出す映画『ローマの休日』をイメージしたと思われる。

 そして、同話で着ていたのが、“カシアス・クレイ(モハメド・アリ)のTシャツ”。本名のカシアス・クレイから、リングネームをモハメド・アリにあらためた、伝説のボクシング選手であることから、人生をリセットすることと、モラハラな元カレの慎二(高橋一生)からの“決別”をイメージしたようだ。

 さらに、9月6日放送の第8話では、凪が釣り竿を持った犬のイラストと、直訳すると“再びボートに乗るのが待ちきれない”という意味の、英語のロゴのTシャツを着ていた。劇中で慎二の本心を知り誤解が解けたことから、可能性は低いものの、復縁を匂わせた可能性がある。

 また、ミイラの母と子どものイラストと、英語で“Mummy and Me”というロゴが入ったTシャツも着ていて、北海道に住んでいる凪の母・夕(片平なぎさ)と関係しているようだ。夕は凪が小さな頃から過干渉で圧力をかけてくる毒親で、凪が空気を読むようになった元凶のような存在。英語でミイラの“Mummy”が、子ども言葉の母の“Mammy”と発音が似ているため、凪にとって夕は“母”であり“恐怖の存在”でもあることをイメージしていると思われる。

  1. 1
  2. 2