■人気の韓国海苔も要注意

 食品の衛生面に不安を抱えているのは、中国だけではない。韓国も同様だという。日本の検疫所での摘発事例を見ると、「赤貝、ムール貝、トリ貝、サヨリ、タコ、カニ、煮アナゴ、チャンジャ(タラの内臓)」といった魚介類に集中していることが分かる。そして、そのほとんどが冷凍処理などを施した加工品だ。

「12年度の厚労省のデータでは、食品衛生法違反事例は全部で約1000件。うち中国が221件とダントツで多く、韓国は37件で7位です。ただ、検査件数と違反率を比較してみると、韓国のほうが、中国の倍の確率で摘発されていることが分かります」(消費者団体職員)

 これには、理由があるという。「韓国の加工食品業者も、中国同様に従業員数が少ない零細企業が多く、作業場の衛生管理もおざなりなことが多い。ただ、中国では毒餃子事件を機に、こうした状況が改善されつつあるんですが、韓国の場合は大きな事件になっていないため、意識改革をしていない業者が多いんです。従業員がトイレに行ったあと、手を洗わずに食材に触れたりするため、検疫で大腸菌が検出されてしまうわけです」(ソウル在住のフリー記者)

 また、こんな“国内事情”も汚染食品を生み出す原因になっている。「FDA(アメリカ食品医薬品局)が12年に、韓国産の牡蠣、ムール貝、ホタテなどを販売禁止処分としたんです。貝類が入った缶詰などの加工食品も同様です。理由は、糞尿の海洋投棄でした。 韓国では2013年まで、下水や生活排水を海洋投棄していたため、近海が汚染されてしまったんです。その糞尿の海で取れた貝を食べたら、ノロウイルスなどに感染し、食中毒を起こす危険性があったわけです」(前同)

 韓国食品で、もう一つ気をつけるべきが、日本でも人気の韓国海苔だという。「韓国海苔は国産の海苔よりも3〜5割程度安いうえ、塩味がついており、スナック感覚でも食べられます。ところが、色合いを濃くするために発がん性のある合成着色料を利用する業者が多いのも実情。養殖用の網から海苔をはがしやすくするために、流動パラフィンという化学物質を使うこともあるといいます」(同)

 もちろん、良心的な業者も少なくない。ただ、それを一般消費者が見分けることは不可能といってよい。

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