■当時の入所希望者は1万6000人以上……

 この日の練習には、6月クールにTBS系『日曜劇場』枠で放送していたドラマ『集団左遷!!』に出演していた、女優の鈴木聖奈さんも参加していた。

――JACに入ろうと思ったきっかけは?

「時代劇に出たいと思っていたんですが、日本舞踊はいろんな女優さんがやっている。自分の“武器”を作らないといけない思いまして。それで、立ち回りとかできるようになりたいと思って、JACに入りました」(鈴木さん)

――鈴木さんの公式サイトのプロフィールには、特技として「乗馬」「時代殺陣」「日舞」「現代アクション」「クラシックバレエ」「器械体操」とあって、JACの練習が仕事につながっているんですね。

「最初は全然動けなかったんですが、今はいろいろなアクションができるようになりました。師匠(西田さん)の教え方が理にかなっていて、決め事があってコンビネーションがあって、立ち回りがあって、と本番と同じような動きが学べるんです。それにJACは家族みたいな感じで、みんなと会えるのも楽しいです。でもそれだけじゃなくて、礼儀もしっかりしていますよ(笑)」(鈴木さん)

しめ落とさせるシーンの確認をする鈴木聖奈さん(下)

「俺たちのときは、上下関係もガチガチで本当に厳しかった。それを変えたかったんですよね」(西田さん)

「人数も多くて、レッスンもスパルタだったからねぇ……。我々の時代は1万6000人の応募があったんですよ」(若山さん)

――1万人以上ですか……。

「書類審査で、東京で300人、京都で300人に絞ります。そこからさらにオーディションで、東京と京都でそれぞれ50人を選抜して、ようやく研究生になれたんです。レッスンプログラムもアクション以外にいろいろあって、タップダンス、クラシックバレエ、パントマイム、殺陣、野外訓練とかもありましたね。僕は堤真一と同期だったんですが、1人、やたら男前のやつがいるなあ、と思っていたらそれが堤で。でも、彼も最初は全然動けなかったですね。みんなと一緒で、ヒィヒィ言いながらなんとか練習についていっている感じでしたよ(笑)」(西田さん)

顧問の若山富三郎氏も列席したJACの結成式

「水曜日は休みなんだけど、それ以外はみっちり。合宿もあって、乗馬やスキー、ハングライダーもやらされました(笑)」(西田さん&若山さん)

――1人でハングライダーは怖いですね……(笑)。やはり、千葉さんのようなアクションスターになりたくて、JACに入る人が多かったんでしょうか?

「そうですね。真田広之さんもそうですけど、千葉さんに憧れてJACに入る人は多かった。でも、俳優になりたい人だけじゃなく、スタントマンコースもできて、スタントマン一本でやっていきたいって人もけっこういましたね」(西田さん)

殺陣の動きを教える若山さん
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