■上戸彩や黒木メイサの名前も!
また、安部さんのコラムには、内田有紀、黒木メイサ、宮崎あおい、上戸彩など、お気に入りの芸能美女の名前も頻出した。第885回(2015年10月)では、独自動車大手のフォルクスワーゲンの排ガス規制逃れ問題に触れ、その流れで、ドイツからアメリカに渡った女優〈マレーネ・デートリッヒは古今東西を通じて、世界一のいい女だ〉と絶賛している。
そして、15年12月末の最終回は、こう綴っている。〈このコラムの最終回に、どうしても読者に申し上げたいのは『権力者とその周囲にいる学者やジャーナリストを絶対に信じてはいけない』ということだ〉
さらに、東日本大震災時の原発事故について触れ、「原発安全神話」は大嘘だった、権威を無条件に信じるなと語り、こう続ける。〈奴らは俺たちのことを絞れば幾らでも乳を出す牛だと思っている。乳(労働や税金)だけならともかく、そのうちお国の為に命まで差し出せと言って来る。物事は先ず疑ってかかれ。そして自分の頭でしっかり考えて最善の道を選ぶんだ〉
そして、最後の一文は、〈長い連載に付き合ってくれた読者の皆様、本当に有り難う。どこかで杖をついて歩いている俺を見かけたら、どうぞ気楽に声をかけてくれ。待ってるぞ〉
無頼でサービス精神旺盛だった安部譲二さん。本当にありがとうございました。
安部譲二(本名・直也=あべなおや)1937年、東京生まれ。麻布中学在学中に安藤組に入る。日本航空にパーサーとして入社。他に、レストラン、ライブハウスなどを経営。自らの服役体験を基に綴った『塀の中の懲りない面々』など、著作多数。博識でチャーミングな人柄から、メディアにも引っ張りだことなり、人気を博す。