GFRIEND
※画像はGFRIENDのシングル『FLOWER』より

K‐POPでいってみよう! 第4回

 山田孝之主演で映像化された村西とおるの評伝『全裸監督』の著者であり、多くのノンフィクションを手がける本橋信宏は、無類のK‐POPファンでもあった。K‐POPの魅力について縦横無尽に語ってもらう連載がスタート。

   ※   ※

 台風シーズンである。

 K‐POPコンサートは、雨が降ろうが槍が降ろうが、強行する。ステージは雨で水浸し。

 K‐POPの魅力でもあるダンスがステージで炸裂するとあって、いつ滑ってしまうかハラハラしながらファンは見守るしかない。

 5年前にデビューしたGFRIENDは、それまでのセクシー系中心だったK‐POPの流れを一気に清純系に切り替える原動力になった。

 通学靴のような地味な黒靴、素朴な服装。

 清純系であるけれど、ダンスは派手やかなで超一流。チケットはいつも5分で完売。

 昨年やっと日本デビューを果たした(3年前に日本デビューしてもよかったんだが)。

 そのGFRIENDの歌唱力ナンバー1、ユジュが雨降りのステージでよく転ぶのだ。

 たとえば――

GFriend's Yuju slips on the rainy stage again
https://www.youtube.com/watch?v=3ae_WwnKm2U

 ものすごい雨のなか、後ろにいる観客は雨合羽で完全装備だ。

 ステージでも雨が跳ねているのがわかる。

 司会者に呼ばれて、ステージ中央に移動する。ユジュ、よせばいいのに、なんだか滑りそうよ、とみずからを言い聞かせているのか、ツツーと少し滑り具合を確認しているかのようだ。

 このときのステージは、体調不良でオムジが欠場。5名でのパフォーマンスとなる。

 音楽、スターティング。

 GFRIENDは横の移動が多いダンスを特徴とする。

 ユジュ、すでにスケート状態……。

 開始から33秒でスリップ!

 背の高い黑セーターを着たリーダーのソウォンが気に掛けて、何度もユジュに手を差し出す。その甲斐もなく、開始から50秒で、またもやユジュ、大ゴケ!

 ゴン! と骨が当たったかのような音までマイクが拾っている。

 なにしろYouTubeのタイトルが、GFriend's Yuju slips on the rainy stage again(Gfriendのユジュ、またもや雨のステージでコケる)である。

 さらにまた――

OMG be careful!! GFriend members slip again on stage
https://www.youtube.com/watch?v=7F1gD3vK0Wc

 このときも2分29秒でユジュまたもや大ゴケ。痛そう。

 他のメンバーが苦笑いするしかない。

 観客もユジュの大ゴケを期待しているかのようだ。

 ユジュのダイナミックなコケっぷりは、すでにテレビ的にも格好のテーマになった。

【TVPP】YuJu(GFRIEND) - Slipped and Fell Hard On The Stage , 유주(여자친구) - 꽈당 유주 @Radio Star
https://www.youtube.com/watch?v=I470RNKq46A

 ユジュ本人がゲストでこんなコーナーまでできてしまった。

すべての場面で演奏中のGFriend YUJU事故
https://www.youtube.com/watch?v=SJV99Qi07IM

 しかしここまでコケるって、ユジュ、ねらってるんじゃないの?という声も聞かれるが、よく見てほしい。一歩間違えたら複雑骨折まちがい無し。

 しかも韓国人はプライドがとても高く、みずからの失敗をエサに笑いをとるのを好まない。

 ユジュ、韓国ではあまり見かけない”天然”っていうやつなのかも。

   *   *

 いまや世界制覇を果たしたBLACKPINK。

 そのブラピンがライブで大ヒット曲「BOOMBAYAH」を歌っているとき、いきなり雷のような怪奇音に見舞われた。

 いったい何だ?

 金属音のような聴き慣れない音。

 おそらく音響装置が誤作動したのだろう。

 BOOMBAYAHは流れず、ステージで戸惑う4人。

 ところがここからがBLACKPINKの真骨頂。

 なんと演奏無しのアカペラで歌い出したのだ。観客もかえって大盛り上がり、大合唱となった。

 こういう危機対応能力も、カリスマには求められるのだ。

 もっともあまりにも手際のいい対応力に、もしかしたら演出のひとつか、と疑念も残るが、トラブル対応がそれほど素晴らしかったとも言えよう。

   *   *

 最後にもうひとつ。

 これはハプニングではないが、GFRIENDと同じくザーザー降りの雨の中のステージ。

 RAINBOWの7人による「Sweet Dream」。

 歌の内容は、恋人との悲しい別離を歌い上げるもので、7人に降り注ぐ雨がなんともいえない最高の舞台演出になっている。

 なかでもセンターのリーダー・ジェギョンの美しさといったら……。

 雨で濡れそぼるジェギョンにさらに光のカーテンをぬって落ちる雨。

 まるで映画のラストシーンではないか。

 RAINBOWは惜しくも解散してしまった。

 この7人、親日家で日本語も達者、なかでもジェギョンの日本語力は抜群だ。

 ソロになってまた日本活動を望むものである。

K‐POPでいってみよう!

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