■『放送文化基金賞』対象の放送回でもヤラセ……

『クレイジージャーニー』は、2016年5月放送のリヤカーを引いて世界各地を歩く「リヤカーマン」の回が評価され、優れた番組や個人・団体を放送批評懇談会が顕彰する『ギャラクシー賞』の2016年5月度月間賞を受賞。

 さらに2018年6月には、過去1年間に放送された番組の中から優れたテレビやラジオ番組、個人、グループなどに贈られる、公益財団法人・放送文化基金による『放送文化基金賞』の『第44回 放送文化基金賞 番組部門 テレビエンターテインメント番組』の最優秀賞を受賞している。

「しかも、受賞の対象となったのが、加藤氏と写真家のヨシダナギ氏が出演した、2017年8月16日放送のゴールデン2時間スペシャルなんです。ヤラセを謝罪したTBSのホームページでは、過去10回の放送で事前に準備していた11種の生物を公表しています。その中には、受賞対象の放送回も含まれています」(前出の制作会社関係者)

 この日の放送は、加藤氏がアフリカ・カメルーンへ行き、希少な爬虫類をハントするという内容。川の中に潜んでいた“カエルの王様”だという巨大な「ゴライアスガエル」を手でつかみ上げ、加藤氏は鬼気迫る笑みを浮かべた。また、ボートで移動していた加藤氏が突如ダッシュで川から草むらへ走っていき、「ニシアフリカコビトワニ」というワニを見事にキャッチし、大興奮する場面が放送され、スタジオのダウンタウン松本人志(56)、バナナマン設楽統(46)、小池栄子(38)からも賞賛の声が上がった。

 TBSのホームページを確認すると、この日の放送で事前に用意した生物として「ニシアフリカコビトワニ」「ゴライアスガエル」の2種の名前が掲載されている。

「2017年2月9日と16日の放送回では2週にわたって、加藤氏のマダガスカルでの爬虫類ハント旅に密着しています。9日の放送では野生ではなかなか見ることができない『ヘサキリクガメ』を発見し、個体を抱きかかえて大興奮する加藤氏の姿、16日の放送では5か月しか生きられないという、枝に乗っかった『ラボードカメレオン』を発見し、大喜びする加藤氏の姿がありました。

 このカメレオンは体調10センチほどの小さな個体でしたから、専門家の加藤氏だからこそ発見できたのだと思っていました。ところが、この『ヘサキリクガメ』と『ラボートカメレオン』も事前に準備した生物だったと、TBSの発表で明らかになりました」(前同)

 TBSで働く放送作家は話す。

「走行中の車の中から小さな生物を発見するという人間離れした動体視力と、ターゲットに向かって一目散にダッシュし、手づかみで生物を捕獲したのち、この上ない笑顔を浮かべる、という生物をこよなく愛する加藤氏のファンは非常に多い。

 加藤氏は『クレイジージャーニー』への出演をきっかけに『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)や『池の水ぜんぶ抜く』(テレビ東京系)など、多くの番組に出演するようになりました。そんな加藤氏もヤラセに加担していたとなると、他の番組も起用を控えるでしょうし、研究者としても今後は懐疑の目で見られかねません」

『週刊新潮』の取材に対し、加藤氏は「クレイジージャーニーの件ですが、取材はお受けしていません。TBSまでお問い合せください」と回答している。

 9月22日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演したダウンタウンの松本は、ヤラセ問題が発覚した『クレイジージャーニー』について言及。

 共演者の落語家・立川志らく(56)が、9月30日からスタートする新番組『グッとラック!』(TBS系)で司会を務めることにからめて、「僕はちょうどTBSが1本なくなるんですよ」と『クレイジージャーニー』の打ち切りを匂わせるようなコメントをしている。

『クレイジージャーニー』はヤラセ発覚後から現在まで放送を休止している。松本の言うように、このまま番組は終了となってしまうのだろうか?

 TBS、そして加藤氏が何か言及するのか、動向に注目したい。

あわせて読む:
・『クレイジージャーニー』“爬虫類ハンター”加藤英明氏の危険行動に憂慮の声相次ぐ
・TBS『消えた天才』『クレイジージャーニー』を超える「ヤラセ爆弾」
・『クレイジージャーニー』だけじゃない! TBSアナウンス部でもパワハラ騒動!?

  1. 1
  2. 2