■「決勝の韓国戦で打てたのは原さんのおかげ」

 イチロー氏を狙うのは、侍ジャパンだけではない。原監督率いる巨人も、熱視線を送っているという。読売関係者が明かす。

「ナベツネさん(渡邉恒雄読売グループ本社代表)は、一時、“大したもんだ。ただの野球選手じゃなくて、ビジネスをやっても成功しただろう。ぜひ、巨人の監督をやってほしい”とベタ惚れでしたからね。ただ、現在の読売グループは総意として“松井秀喜監督の誕生”で動いている。イチローにちょっかいを出していると分かれば、松井がヘソを曲げるので、そんなことはしないと思いますけどね。また、今季限りで引退することになった阿部慎之助もいる。阿部は来季からヘッドコーチか、2軍監督をやる予定です。当然、次期監督の有力候補です」

 ただ、“イチロー招聘”に向けて動いている男がいるのだという。他でもない。原監督だ。「原さんは第2回WBCで代表監督を務めたとき、イチローをチームの柱に据えて、見事、世界一を勝ち取った。このときに深い絆が生まれた、と言われているんですよ」(前同)

 実際、原監督は17年4月にシンガポールで行われた東海大学同窓会の講演で、こう語っている。

〈急ピッチでチームを編成しなければなりませんでした。私は監督就任が決まったらすぐ、イチローに電話をしました。実はイチローとは、毎年オフに1度食事を共にする間柄でした。監督就任直後に電話で、「お前中心のチームを組むから」と言ったら、イチローはひと言だけ「原さん、分かった」と。それで十分でした。彼のおかげで、当時のメジャーリーガー達がほとんど集まってくれました〉

 イチロー氏のほうも、原監督を慕っているとされ、「決勝の韓国戦で打てたのは、原さんのおかげ。ずっと不調だった自分を、我慢して使い続けてくれた」と周囲に話しているという。

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