秋の気配が漂い始めた9月の3日間競馬は、18レースに騎乗して、5勝。2着6回で連対率は6割超。たくさんのいい馬に乗せていただいていることを考えると、決して満足ではありませんが、自分なりに納得できる数字でした。

 2歳オープン野路菊Sを勝ったマイラプソディ。パワーアップした3歳以上1勝クラスのピアシックとエクレアスピード。最後までしっかりと伸びた2歳未勝利のトウカイデュエル。JRA通算4100勝目となったパラーティウムと5つの白星は、結果も内容も大満足。

 中でも、ここ次第では、楽しみが大きく膨らみそう。と、期待していたマイラプソディが5馬身差の圧勝。道中での折り合いといい、反応の良さといい、文句なしの合格点。来年のクラシックに向けて、楽しみな一頭になりました。管理する友道先生によると、次走は11月23日に京都競馬場で行われるG3京都2歳S(芝2000メートル)とのこと。

 それでは今後の騎乗馬についてです。今回お伝えするのは、10月1週の競馬、世界中のホースマンが憧れてやまない“世界最高峰のレース”凱旋門賞です。毎年、このレースに出るのが騎手としての目標であり勝つことが夢。ジョッキーになることを志したときから、それは変わらず、ずっと僕の心の中にあります。この間、パートナー不在でテレビの解説席に座らせていただいたことがありますが、自分がいるべき場所はここじゃないと、改めて凱旋門賞への思いを強くしました。

 初めて凱旋門賞に挑んだのは、1994年のホワイトマズルで結果は6着。経験も、技術も、判断力も、すべて足りないと思い知らされた苦いレースでした。2度目は、01年のサガシティ。3着という結果もそうですが、アンドレ・ファーブル調教師から依頼をいただいたということがうれしくて。自分がこれまでやってきたことは間違いじゃなかった――胸を張れるレースになりました。3度目は、ディープインパクトとともに挑んだ06年……勝てると思っていた、勝たせてあげられるはずの凱旋門賞でした。なぜ、勝てなかったのか!?  今でもときどき、夢の中でうなされるほど悔いの残っているレースです。それからも、メイショウサムソン、ヴィクトワールピサ、キズナ、昨年のクリンチャーとその都度、大きな壁に跳ね返されてきましたが、ジョッキーとして思うのは、超えられない壁ではないし、超えなきゃいけない壁だということです。

 今年一番のビッグニュースをお届けできるよう、武豊のすべてをかけて挑みますので、日本から応援してください。

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