木村拓哉
木村拓哉

 10月20日から放送される、日曜劇場『グランメゾン東京』(TBS系)。ストーリーは、フランスの三つ星レストラン「ランブロワジー」で面接を受けていた早見倫子(鈴木京香/51)が、借金取りに追いかけられていた男と偶然出会う。その男とは、実は天才フレンチ料理人の尾花夏樹(木村拓哉/46)。そして尾花は倫子に突然、一緒に店をつくらないかと提案する……というもの。

 このなにやら懐かしさを感じるストーリー展開は、日曜劇場枠の売り。『半沢直樹』『下町ロケット』『ノーサイドゲーム』など、下克上ドラマで一定のファン層をガッチリつかんでいるので、路線として正しいといえば正しい。メインキャストが阿部寛(55)や三上博史(57)あたりなら、何の疑問もなく「どう大逆転するのだろう? 面白そう」と想像がつきやすい。が、今回は、主演が木村拓哉である。それが吉と出るのか、凶と出るのか、はてさて。

 筆者はいわゆる1990年代から2000年代、ドラマで高視聴率をたたき出していた木村拓哉に、これっぽっちも興味を持てなかった「キムタクはなにを演じてもキムタクに見える」派だ。キムタクは印象的に、超人すぎたのだ。

 が、SMAP解散後、明らかに疲弊していく木村拓哉にやっと人間味を感じた。そして今回の『グランメゾン東京』予告ムービーでの「アンタに星を取らせてやるよ……」。決め決めのセリフを吐くキムタクだが、正直、全然かっこよくないのだ。中途半端に茶色に染まった短髪は似合っていると言い難いし、スタイルも共演する沢村一樹(52)や及川光博(49)のほうが、何倍もスタイリッシュで現代風だ。誤解を招く言い方かもしれないが、顔もヒーロー然としていた時期より暗く、どこかズルい顔になっている。

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