■電気・ガス・水道のライフライン料金は数倍の格差も!

 この他、電気・ガス・水道というライフラインの料金にも地域差がある。「その街によって電気やガスを供給する会社、特にガスの場合、プロパンか都市ガスによっても料金が違います。そして、最も差の大きいのが水道代なんです」(前同)

 これも水道は自治体が運営しているためだ。「たとえば、水質に恵まれている自治体だと、設備にそれほど予算をかけずにすみます。自治体によって水道料金が2倍違うというのはザラ。引っ越してきたら、水道代が前の街の5倍かかったというケースもあります」(前同)

 まずは読者自身が「ここに住みたい」と思うのが第一だが、次いで、物価・住民税・健康保険料・ライフライン料金を比べて、カネのかからない街を探していただきたい。その際、移住促進政策として各自治体では独自にお得な行政サービスを実施している。

 移住のための引っ越し代や転入後の家賃補助などを行っている自治体は多いが、中には「0円住宅」、つまり、住宅がタダでもらえるサービスもある。滑津大滝などの自然豊かな宮城県七ヶ宿町の場合、一戸建ての住宅がタダでもらえる。ただし、それには20年間、同町で暮らす必要がある。「まず、建設した住宅を町営住宅として町が借り上げて、入居者から家賃をいただき、20年たったら住宅そのものを差し上げるという仕組みです」(同町農林建設課)

 募集期間中には毎回20件ほどの申し込みがあるというから、なかなか人気の制度。それだけ地方への移住希望者が多い証拠だ。

 ただ、都会のマンション暮らしに慣れた人が田舎の一戸建てに引っ越すと、セキュリティ面で不安になるもの。最近は田舎でも凶悪事件が増えているからだ。ところが、茨城県日立市では、窓ガラスの防犯ガラスへの取り替えや防犯カメラの取りつけなどの防犯対策に最大5万円が助成されるから、至れり尽くせり。

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