■岩井志麻子は新鮮なカキがたっぷりのお好み焼き

〈岡山〉

 岡山県出身の作家・岩井志麻子に話を聞くと、まず出てきたのが備前名物というカキオコ。タピオカの親戚か何かかと思いきや、カキの養殖が盛んな日生地区の、カキが入ったお好み焼きのことだった。もともと漁師の奥さんたちが売り物にならない小さなカキや傷ついたカキを、お好み焼きに入れて食べていたのが始まりだという。「これが、いつの間にか地元の名物になったんですが、新鮮なカキがたっぷり入って、すっごくおいしいんですよ」

〈福岡〉

「ルネッサ〜ンス」で一世を風靡した、福岡市出身のお笑いコンビ・髭男爵のひぐち君。4年前にワインエキスパートの資格を取得し、確かな舌を持っているひぐち君は、福岡に帰ると必ず立ち寄る店がある。「福岡の人なら誰もが知るふきやというお好み焼き屋です。市内に6〜7店舗ぐらいあるんですが、大阪風、広島風でもない独特なお好み焼きなんです。まず、店員がフワフワ感なんてクソくらえとばかり、鉄板で焼かれるお好み焼きをヘラでパンパンと、これでもかと叩く。空気を抜いていくのが、ふきや流」

 こうして焼き上がったモチモチのお好み焼きに、黒くドロリとした秘伝のソースと自家製マヨネーズをかけて食べるんだとか。「これが中毒性がありましてね。がっつりとボリュームもあるので、食べ終えると“1か月ぐらいはお好み焼きはいいや”と思う。だけど、2〜3日もたつと、また食べたくなるんです。あ、こうして話をしてると食べたくなった。福岡に帰ろうかなあ(笑)」

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