■大島優子はセンターより脇で輝く

 大島優子は2014年の映画『紙の月』では名女優、宮沢りえ(46)らと堂々とやり合い、ドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)では吉高由里子(31)が演じる倫子の友人、小雪を演じて話題となった。元AKB48のセンターという華麗なる遍歴を持つだけにちょっと意外に感じるが、大島が演技において本領を発揮するのはセンターではなくむしろ脇役なのだ。

 大島優子にはしっかりドラマに溶け込む自然さと、ときに主演女優を食う存在感がある。これは脇役として、かなりの武器といえる。なるほど、過去の作品でも彼女の存在がアクセントとなり、ストーリーに奥行きを与えてきた。アイドルとして大成する前から、芸能界で活躍してきた長い下積みが、今、女優として結実しようとしているのだろう。

 そこで今回の『スカーレット』だ。どうやら陶芸家になるらしい喜美子よりも、お嬢様、照子ははるかにミステリアスな存在。登場早々、ピタッと役にシンクロしてみせた大島が、ドラマをかき回すことは確実だ。センターではない場所で輝く、女優、大島優子に注目していれば、『スカーレット』はより面白くなるはずだ。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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