『ニッポンノワール』と『3年A組』リンクさせた日テレの戦略の画像
※画像は日本テレビ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』番組公式ホームページより

 注目のドラマ枠、日テレ日曜ドラマの『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(日本テレビ系)がスタートした。このドラマ、今年の1月期に同枠で人気を博した、『3年A組-今からみなさんは、人質です-』の半年後が舞台という演出が施されている。初回の放送を振り返り、注目ポイントを考えたい!

 刑事の遊佐清春(賀来賢人/30)が山小屋で目をさますと、横には上司の碓氷薫(広末涼子/39)の死体があった。清春は犯人と疑われてしまうが、その後、碓氷が関わっていた「10億円強奪事件」の存在が明らかに。さらに清春は碓氷の息子、克喜とともに暮らすことになって……。

『今日から俺は』ファンにうれしい賀来賢人の激しいアクションシーンもあり、これから大いに期待できそうな新感覚刑事ドラマだ。なにより注目は『3年A組』の近未来という設定。キャストもかぶっていて、若手俳優の細田善彦(31)は元瀬ヶ山署生活安全課刑事で、現在は警視庁捜査一課の宮城遼一を、悪役も上司役も毎度ハマる演技派の篠井英介(60)は、捜査一課理事官の本城諭を引き続き演じる。

 また、近年、話題作への出演が相次ぐ栄信(34)は、半グレ集団「ベルムズ」の元リーダー、喜志として再登場。『3A』で物語をかきまわした「ベルムズ」がこの作品でも鍵になるかもしれない。ネットでは「3年A組の続き感いいよ」「菅田将暉の出演ワンチャンあるんじゃね?」と、『3A』で主演を務めた菅田将暉の出演を願うコメントまで飛び交っていた。

 この奇抜に見えるトンデモ演出だが、しっかりした狙いがあるように思える。というのは、ここのところ日本テレビドラマの奇抜演出が、見事に光っているのだ。

 今クールで生田斗真(35)主演の『俺の話は長い』は、30分×2本のいわゆる「サザエさん形式」を導入。気軽に見られるドラマとして話題になっている。これは、『ZIP!』内で放送されている短編ドラマ『生田家の朝』に関しても言える。誰でも楽しめる短時間ドラマという、新しい試みが受けているのだ。

 そうかと思えば『あなたの番です』では、2クールぶち抜きで半年間放送し、視聴者を釘づけにした。さらにこの『ニッポンノワール』では、過去のヒット作と設定を同じくし、既存の視聴者をそのまま取り込もうという動きも見られる。

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