八千草薫と高倉健「昭和6年生まれの大スター」超貴重インタビューの画像
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 10月24日、日本を代表する女優・八千草薫さんがこの世を去った。享年88。「八千草さんはがんと闘いながらも、ドラマ『やすらぎの刻〜道』(テレビ朝日)に出演中でした。彼女が演じる“姫”こと九条摂子は、前作『やすらぎの郷』で亡くなるんですが、回想や幽霊として何度も登場し、訃報発表直前の昼の放送にも、『やすらぎ体操』に出演。最後の最後まで現役俳優でした」(芸能記者)

 そんな八千草さんが本誌に語ったインタビューを発掘。昭和33年8月11日号で、映画監督の夫・谷口千吉さん(2007年に95歳で逝去)との新婚時の近況を語っている。〈奥さん稼業になっちゃうと、私を使う方でも幾分戸惑ったでしょうし、私だって子供っぽいこんな性格だから、自分を疑心暗疑してるんです(中略)。この間、まげもの(時代劇)の汚れ役の“夜鷹”で出されちゃったんです。あたしの今後の演劇人生って、いったい、どうなのかしら〉と、結婚を機に、それまでのお姫様女優から一転、今後の役の広がりへの期待と、その不安を吐露している。

 八千草さんの訃報とほぼ同時にワイドショーを賑わせたのが、同じ昭和6年生まれの大スター・高倉健さん。“健さんが最後に愛した女性”といわれる養女の小田貴月さんが、回顧録『高倉健、その愛』(文藝春秋)を出版したのだ。

 その健さんは、本誌昭和38年10月24日号で、江利チエミさんとの結婚について語っている。〈ぼくァ夫婦が一生涯愛し合うための条件は、思いやりだと思うんですが……。まだ、4年目なので大きなこと言えないんですけど〉

 高倉夫妻は、71年に離婚するが、対照的に八千草さんは谷口千吉さんとは最後まで、おしどり夫婦だった。彼女に惚れ込み、『やすらぎ〜』シリーズへの出演を熱望した脚本家の倉本聰氏は、『お茶をどうぞ 向田邦子対談集』(河出文庫)の中で、こう話している。〈(好きな俳優を聞かれて)健さんていえば男優はだれも文句言わない。八千草さんていえば、女優さんから文句は出ない〉

 また、八千草さんと健さんには、自然に対して畏敬の念を抱くという共通点があったという。「八千草さんは大の登山好き。夫の谷口監督の影響で本格的に登山を始め、国内外の山を歩き、さらに八ヶ岳に山小屋を建てたほどの自然好きでした。一方、健さんは自身を“極地俳優”と呼んでいました。『八甲田山』や『南極物語』の撮影で生命の危機に直面。自然の前での人間の無力さを知り、自然に対して畏敬の念を抱くようになったそうです」(映画ライター)

 大自然の如く雄大なスケールを持つ、昭和6年生まれの銀幕スター。名優たちの足跡は永遠に残ることだろう。

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