■大病院での大きな注意点

 そこで今回は、総合病院や大学病院などの「大病院」、近所にあるクリニックなどの「個人病院」、そして薬を処方する「調剤薬局」の3つの区分から、“危険な特徴”をリストアップしてみた。まず「大病院」で大きな注意点となるのは“人間関係”なのだという。多くの総合病院で勤務経験がある『みつばちクリニック』(大阪府寝屋川市)の橋本惠院長は、こう語る。「大きな病院は、チームで医療を行えるという利点があります。一人の医師のうっかりミスがあっても、複数の目で見ていれば誰かが気がつき、大事になる前に軌道修正できる。しかし、人間関係がギスギスすると、その利点が失われてしまうことになります」

 つまり、和気あいあいとした雰囲気の病院と比べ、人間関係のマズい病院は、医療の質が落ちる可能性が高いというわけだ。「たとえば、A先生とB先生が犬猿の仲で、A先生が診た患者は、B先生は絶対に診ない……という病院も実際にありました。医師同士がケンカするような病院は、その他のスタッフも“上にならえ”でギスギスしがち。とても患者さんに気配りなんてできません」(前同)

 チェック項目で言えば、受付スタッフが無愛想で不親切」「医師や看護師が廊下の真ん中を歩いている」あたりが該当するが、これら以外にも、ナースステーションの雰囲気や、スタッフ間や患者へのあいさつからでも、感じ取れることはあるようだ。さらに、橋本院長によると、「医師のチームワークが、その病院の医療水準を左右する重大な要素」なのだと言う。したがって、チームワークが存在しないような病院には、けっしてかかるべきではない。「分かりやすい指標は、入院したときに回診がきちんと行われているかどうか。主治医だけが診察しているようでは、病院としての価値はゼロにも等しい」(前同)

 複数の医師がディスカッションしながら治療を進めるからこそ、医療の品質が保証されるのだという。そんな観点から見て、「複数の科で受診している場合、各担当医の連携が取れていない」ことは、危ない兆候の一つだが、特に深刻になるのは、がん治療のケースだ。「手術、抗がん剤、そして放射線治療にあたる担当医師の連携が取れておらず、それぞれが同じ治療方針を何回も患者に説明する……なんてこともあるようです」(医療関係者)

 そんな病院に行く価値がないことは、明白だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4