■『凪のお暇』に『監察医朝顔』も飯テロ!

 また、夏ドラマでも、黒木華主演の『凪のお暇』(TBS系)が、ツナ缶にマヨネーズとスライスチーズを入れてバーナーで焼き、トーストにのせたツナトーストや、フライパンで焼いて作った7種の具材入りちぎりパンなどの節約レシピが人気に。上野樹里主演の『監察医 朝顔』(フジテレビ系)も、シリアスな医療ドラマでありながら食事シーンが多く、地味に“飯テロ”してくると話題になっていた。

 グルメドラマでもないのに食事や調理シーンが印象に残るドラマが増えたのは、凝った演出をするよりおいしそうな料理を出しておいたほうが、視聴者の目を奪える、という制作側の計算があるのだろう。身も蓋もない言い方かもしれないが、人は食欲には勝てないものだ。

 また、かつて人気ドラマの定番だった恋愛ドラマが、『テラスハウス』や『バチェラー』など恋愛系リアリティ番組に視聴者を奪われてしまったことが背景にあるようだ。そこで、恋愛より家族や人間関係をテーマにする作品が増え、人間模様を描写するための象徴として、食事や調理シーンが増えてきたというのもあるだろう。

 さまざまな事情があるとはいえ、今では飯テロシーンはドラマには欠かせない要素だ。これからも魅力的な料理で、我々のお腹をぐぅぐぅ言わせてほしい。

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