■『爆笑ヒットパレード』に出たとき、すごかった
太田 だから、「いったい俺たちは、どうすればいいんだ? このままじゃダメだな」っていう焦りがかなりあった。それが、一からやり直すためにオーディション番組に出るきっかけになったんですよ。
渡辺 テレビ朝日の『GAHAHAキング爆笑王決定戦』だよね。
太田 たまたまプロデューサーの方に誘ってもらったんですよ。
渡辺 『GAHAHAキング』のときは、爆笑問題の2人はすごく気合いが入ってたもんね。
太田 10週勝ち抜くために、ホントに必死でしたよ。
田中 ずっと泊まり込みに近い形で練習して。隔週の2本撮りだったんで、結構キツいんですよ。
渡辺 ああ、1回でネタを2本持っていかなきゃいけないんだ。それを作るのは大変だね。
田中 そこはもう、後がない感じで。
渡辺 勝負の時。デビューしてガーッと上がった後に仕事がなくなって、だからこそ、「今だ! ここで行かなきゃ!」っていう強い思いがあったわけだし。でも、いい経験だったんじゃないの?
田中 結果的には、ですね。
渡辺 そこから現在に至る鋭利な爆笑問題になった。
――鋭利な?
渡辺 だって、「こいつら、よくやるな」と思うくらい狂ってるじゃん(笑)。不遇だったときの気持ちがあるから、「俺たちは絶対に、もう下がらないんだ!」っていう覚悟もあると思う。
太田 それはあるかもしれませんね。
田中 リーダーだって、10年くらい前に『爆笑ヒットパレード』に出たとき、すごかったですよ!
渡辺 あっ、そうだっけ?
田中 僕らは楽屋のモニターで見てたんですけど、コント赤信号がレジェンド枠で、「なんと、今回、久々に!」とかあおられてて。
太田 往年の暴走族ネタでね。リーダーがいつものように後から登場してきて。
田中 そう。サングラスを取って、ラメを塗った両目を見せたんだけど、なんと、つかみの「待たせたなぁ!」を言わない(笑)! あれはビックリした。
太田(ラサール)石井さんと小宮(孝泰)さんが固まっちゃって(笑)。
渡辺 あー(笑)。俺は言うことを忘れてるから、なんでもないんだよ。でも、2人は固まってるから、「あれ? 何やってるんだろう、こいつらは」って思って(笑)。
太田 あれはひどかった(笑)!
田中 みんな、「待たせたなぁ!」を一番見たいのに、本人だけセリフが飛んだんですよ。
渡辺 飛んだんじゃなくて、言うことを忘れたんだよ!
田中 それを「飛んだ」って言うんですよ(笑)。