■松下洸平の人気も急激にトーンダウン
さらに最近では、弟子である三津(黒島結菜/22)ともいい感じになってしまっている。ドラマBGMに美しい弦楽器の調べが増え、まるで昼ドラのような様相を呈してきたが、八郎さんにときめいた視聴者にはつらい時間が続いている。これでは視聴率ダウンもしょうがない!
最後は前出の2点を受けて、女性陣が浮き足立ってしまっているということ。喜美子の空回り感が、見ていて切ないのだ。男勝りで気の強いヒロインゆえに、自分の気持ちを殺して気丈にふるまうシーンも多く、これは見ていてつらい。
また、今回、振り返った1月18日の放送では、富田靖子(50)が演じるマツが気になった。常治の死後、よりキャラが薄まった印象だし、なんだかふわっとした立ち位置にもはてなマークがともる。その前日には娘の直子にビンタをして叱ったが、直子の妊娠が嘘と分かると、すぐ笑顔に。さらに、声が出なかったのに、いきなり歌い出したのには驚いてしまった。
常治がいたときは“薄幸の妻”というマツのキャラも立っていたが、いなくなってからは、それだけではどうしても弱い。直子へのビンタに深い意味があった、声を出せなくなったことがなにかの伏線になっているなど、もう一つ仕掛けがあれば、マツの魅力も引き出せるのだろうが……。
あらためて振り返ると、『スカーレット』は常治や八郎ら、男性陣の魅力で快走してきたドラマなのかもしれない。そこに期待できなくなった今、視聴率浮上の打開策は、ヒロイン三姉妹はもちろんのこと、母のマツや、三津の奮起にかかっているだろう。特に三津は八郎への接近ぶりから、SNSで「嫌いになりました」「ほんっっとに朝ドラの三津嫌いだわ」という声が続出し、ものすごい速度で嫌われ出している。意外とここが鍵になるかもしれない。いずれにせよ、今後は女性陣の頑張りに注目していきたい。(朝ドラ批評家・半澤則吉)
朝ドラ批評家半澤の朝ドラブログ
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※画像はNHK『スカーレット』番組公式ホームページより