■NHKの演出は計算ずく

 実際、SNSには「萬平さんにしか見えない」というコメントが相次いだ。と思うと『シン・ゴジラ』の矢口蘭堂や2017年『小さな巨人』(TBS系)の香坂のような哀愁も見せ、一本気な男前の魅力も光る。『麒麟がくる』は長谷川博己の総決算、光秀はハセヒロの魅力が凝縮されたキャラになる予感がする。

 今作、ハセヒロに期待したいのはやはり萬平のような、愛らしさだ。まじめで男前なのに、ときに狂気的な一面を見せた『まんぷく』の萬平。あのキャラで物語が作れ、さらには笑いまでとれることを、NHKは分かっている。今後もハセヒロのかわいらしさと面白さが、フィーチャーされることは確実だ。

 もちろん、舞台は戦国時代のため、シリアスな演技が中心となるだろう。しかしそんな中で、ところどころに散りばめられる笑い要素とハセヒロの愛くるしさに注目すると、ますます『麒麟がくる』を楽しめるはず。これから1年間、ハセヒロにより、どのような光秀が紡がれるか、じっくり見守りたい。(ドラマライター・半澤則吉)

※画像はNHK『麒麟がくる』番組公式ホームページより

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