竹内涼真『テセウスの船』主役抜擢に見る『半沢直樹』のウラ事情の画像
※画像はTBS『テセウスの船』番組公式ホームページより

 日曜劇場『テセウスの船』(TBS)はこの冬、最大の注目作だろう。1月19日の初回放送は平均視聴率も11.1%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と好調な滑り出しを見せ、「早く続きが見たい」「面白かった、視聴決定」と、視聴者からの好意的なコメントがSNSに多く踊った。

 今回の出演者は竹内涼真(26)を主役に据え、タイムスリップした過去の父、佐野文吾が鈴木亮平(36)、母の和子が榮倉奈々(31)と、豪華メンバーがそろっていて、TBSがいかにこの作品に賭けているかが分かる。それだけの作品に、まだ若い竹内涼真が選ばれたのは驚きだったが、そこには2つの理由がある。

 まず、本作が満を持しての、竹内涼真の日曜劇場主演作ということ。竹内は2017年上半期の連続テレビ小説ひよっこ』(NHK)で全国的知名度を高めると、直後の『過保護のカホコ』(日本テレビ系)で完璧にブレイク。やはり同年の日曜劇場『陸王』(TBS系)も評判がよく、17年はまさに竹内涼真の年だった。

 また、『陸王』以外にもTBSの看板である日曜劇場は、竹内涼真を大事に育ててきた歴史がある。15年、阿部寛(55)主演でヒットして続編も作られた『下町ロケット』の立花役は、それまでライダー俳優というイメージが強かった竹内の名を、世に知らしめた。

 さらに、18年の二宮和也(36)主演『ブラックペアン』では、ストーリーテラーでもある医師の世良役を見事に演じていた。そう、朝ドラや他局のドラマで名を上げた竹内だが、実は日曜劇場の申し子。TBSとしては手塩にかけて育てたかわいい子どもなわけで、竹内涼真の主演作はずっと作りたかったはずだ。そして、今後もTBSのスター俳優にしたいという気持ちが強いだろう。

 次に、この4月からの日曜劇場が『半沢直樹』であるということ。13年に平成最高のドラマ視聴率を獲得した名作の続編で、高視聴率も狙える。ここのところ福山雅治(50)の『集団左遷!!』、大泉洋(46)の『ノーサイド・ゲーム』、木村拓哉(47)の『グランメゾン東京』と、ベテランが主役のお仕事ものが続いてきただけに、本作で若年層を取り込み、『半沢直樹』に備えたいという思惑があるのだろう。

 それを受けての、若者に人気のある竹内涼真抜擢だったのだ。また、『テセウスの船』は、これまでの池井戸潤原作ものと違い、若者受けの良い漫画原作である。内容もミステリー要素満載であり、家族愛を盛り込んでいて感動要素もありと、おいしいところてんこ盛り。きっと『半沢直樹』につながる視聴者を獲得できるはずだ。

 TBSの竹内涼真に対する期待の大きさは、計り知れない。また、竹内自身も連ドラ初主演である本作へ賭ける思いは、並々ならぬもののはず。骨太なミステリーは『ブラックペアン』以来となるが、第1話から竹内の熱い演技や涙ありと、見どころたっぷりだっただけに、今後も期待だ。本作は竹内涼真が演技派俳優の道を突き進むための、第一歩となるかもしれない。(ドラマライター・半澤則吉)

※画像はTBS『テセウスの船』番組公式ホームページより

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