■野菜ジュースは健康にいい?

 トクホのみならず、「野菜ジュースは健康にいい」と思い、毎朝、出勤前に飲んでいる人もいるはず。ところが、平地氏によると「野菜ジュースにはおいしく飲むために砂糖や果糖がたくさん含まれていることが多く、血糖値を急上昇させ、肥満の原因になります」という。

 最近では、毎朝、野菜ジュースを飲む習慣とともに、水道水のカルキ臭を嫌い、「水道水よりミネラルウォーター」という習慣も広がっているが、医療ジャーナリストの牧潤二氏は、その習慣には否定的だ。「水道水が水道法で51項目のチェックを受けているのに対して、ミネラルウォーターの場合、食品衛生法によるチェック項目は18しかありません。また、ミネラルウォーターには工場での生産時に一般細菌の混入の危険性があるうえ、開封後に一度で飲まずに置いておくと、雑菌が繁殖します。一方、水道水は塩素消毒のおかげで菌は繁殖しません。安全面では明らかに水道水がいいと言えます」

 江戸時代から続く「土用の丑の日にウナギを食べて夏バテを克服する」という食習慣も誤りだという。前出の平地氏が続ける。

「ウナギは油成分が多く、消化時に胃腸に負担をかけます。したがって、胃腸が弱っている高齢者が真夏に食すると、逆に健康を害する危険性があります」

「食習慣」の最後は「卵は1日1個まで」。コレステロールを含む卵を食べ過ぎない食習慣こそが、成人病予防に繋がるとされてきた。

「ところが、今や、コレステロールは肝臓で作られるものとされ、食事制限でコレステロール値をコントロールしようという努力は、意味がないと考えられるようになっています。卵には優れた成分が多く含まれ、1日2~3個までなら、むしろ食べたほうがいいんです」(前出の牧田氏)

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