■女子力が高い宮崎あおい

 さて、お次は側室タイプ。正室よりは格下だが、殿の寵愛ぶりは正室以上のことも珍しくないのが側室の強み。そんな側室タイプといえば、『篤姫』(2008年)に主演した宮崎あおい(34)がいる。『篤姫』では島津家の分家から薩摩藩主・島津斉彬の養女となり、徳川十三代将軍・家定の正室となったヒロインを演じた彼女だが、「あるときは男を叱咤激励し、あるときはかわいく甘える女子力の高さは、側室に求められる資質の一つ。宮崎にも同じ匂いを感じます」(テレビ誌記者)

 当時の宮崎は大河ドラマ史上最年少の主演女優だったが、確かな演技力もあって、同作は全50回の平均視聴率が24.5%と、幕末ものの大河ドラマでは歴代1位のヒット作になった。昨年、朝日新聞が行ったアンケート「忘れられない大河ドラマ」でも『篤姫』は堂々1位に輝いている。「少女時代のはつらつとしたお転婆ぶりもかわいかったし、嫁いでからの家定との純愛や、大奥を従え、将軍家もタジタジとなる女丈夫ぶりもカッコよかった。それでも、コケティッシュな一面が彼女にはある。そこがいいんですよ」(下関氏)

『春日局』(1989年)で江戸城大奥で絶大な権力を振るった春日局を演じた大原麗子(09年没、享年62)も側室タイプだ。「大原は女房よりも愛人にしたいタイプのかわいい女。結婚するとアラが目立つようになる女房よりも、“太く愛して、長〜く愛して”あげられること請け合いです」(41・公務員)「はすっぱに見えても情の濃さは人一倍。ダメな男も懐深く受け入れてくれる器量の大きさを感じます。何より色っぽいじゃないですか」(61・嘱託社員)と、本誌読者にも彼女の根強いファンが多かった。

『江〜姫たちの戦国〜』(2011年)に主演した上野樹里(33)も側室タイプ。彼女が演じた江は、織田信長の妹・お市と浅井長政の間に生まれた三姉妹の三女で、後に二代将軍・徳川秀忠の正室になる女性だ。長姉の茶々(後の秀吉の側室・淀君)とは、徳川家と豊臣家に分かれて死に別れるという過酷な運命をたどったことでも知られるが、「上野の演技は良くも悪くも映画『スウィングガールズ』や連ドラ『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)シリーズのままで、時代劇らしさゼロ。でも、そこが逆に魅力的でした」(下関氏)

 現代っ子風の江は、上野樹里らしさ全開。正室にするには不安があるが、側室にするなら全然OKといったところか。

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