■長澤まさみはくノ一に
では、時代劇で曲者っぽい輝きを放つ、くノ一はどうだろう。『真田丸』(2016年)では主人公・真田信繁(幸村)の幼なじみのヒロインを演じた長澤まさみ(32)だが、過去に出演した2本の大河ドラマ『天地人』(2009年)、『功名が辻』では、どちらも女忍者にふんしているから面白い。「三拍子がそろった現代風グラマーの長澤が、古風なくノ一を演じるというのはいいですね。必要とあらば色仕掛けもする、敵の手に落ちれば恥ずかしい拷問も受ける、そんなくノ一を、彼女に体当たりで演じてもらえたら」(織田氏)
『おんな城主 直虎』(2017年)で、後に徳川四天王と呼ばれる彦根藩藩祖・井伊直政の養母・直虎を演じた柴咲コウ(38)も、タイプ的にはくノ一だろう。「柴咲ふんする男勝りの女領主に男装の麗人のような倒錯を感じましたね。剃毛して尼さんになる場面もあった」(下関氏)
最後は遊女タイプ。吉川英治原作の『宮本武蔵』を脚色した『武蔵〜MUSASHI〜』(2003年)で、剣豪・宮本武蔵を慕うヒロイン・お通を演じた米倉涼子(44)が放つ健康的な色香は、従来にない新鮮さがあった。「それまで映画やテレビの『宮本武蔵』でお通を演じた女優は可憐で楚々とした清純派でしたが,米倉のお通は自分の意思を持った強い女。そこが新しかった。彼女と武蔵を演じた市川海老蔵(当時は市川新之助)は恋仲になりましたが、大河の主人公とヒロインの熱愛は前代未聞。その点でも新機軸でした」(芸能記者)
名うてのプレイボーイだった海老蔵がマジ惚れするのだから、米倉のポテンシャルの高さは遊女クラスと言うべきだろう。
豊臣秀吉の名参謀といわれた黒田官兵衛の生涯を描いた『軍師官兵衛』(2014年)で、秀吉の正室・おねを演じたのは黒木瞳(59)彼女も遊女タイプだ。その艶姿はまさに“遊び女”。色っぽすぎる大河女優を集めた“令和の大奥”は、男たちの桃源郷なのだ。