乃木坂46のシングル『今、話したい誰かがいる』
※画像は乃木坂46のシングル『今、話したい誰かがいる』(Type-A)(DVD付)より

乃木坂46「個人PVという実験場」

第4回 乃木坂46映像作品で湯浅弘章監督が描く「時のうつろい」3/4

■「予告編」の再解釈

 前回(/articles/-/72362)は映像監督の湯浅弘章が、乃木坂46の映像コンテンツの幅広さを活用しながら、MVと個人PV・ペアPVを横断して、「無口なライオン」に始まる連作ドラマを手がけてきたことにふれた。その湯浅はまた、時にそれらの連作とは異なる水準で、乃木坂46の映像制作のルーティンを捉え直してみせる。

 それは「予告編」の再解釈である。

 この連載では、個人PVの予告編となる映像のリンクをしばしば紹介しながら話を進めている。それらのリンクはYou Tube上の公式チャンネル「乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL」にアップロードされたものだ。シングルリリースが近づくたび、乃木坂46は収録予定の映像コンテンツの予告をこのチャンネルにアップしてゆく。

 個人PVであれば、おおよそ1分間程度の予告編がそれぞれアップされるが、通常それらはダイジェスト的に構成された映像、もしくは本編冒頭の1分間前後を切り取ったものになる(2012年のデビューシングル『ぐるぐるカーテン』収録の個人PVのみ、のちに本編フルバージョンが公式チャンネルにアップされている)。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4